「価格破壊」を思わせる商品がJR東海ツアーズから発売されている。それが「ひさびさ旅割引」である。史上空前の商品であると同時に、いくつか注意点があることも事実だ。当記事では「ひさびさ旅割引」の魅力と注意点をまとめたい。
「のぞみ」新大阪~東京間の往復が1万5200円!
JR東海ツアーズが展開している「ひさびさ旅割引」。首都圏・静岡・中部・関西の4エリアの指定された各駅から相互に日帰りで往復できるプランだ。このうち東京・品川で乗降できる「ひさびさ旅割引 日帰り1day東京」は、新幹線指定席の往復分と東京・品川駅構内の東海キヨスク500円分(税込)の利用券がセットになったもの。「ぷらっとこだま」とは異なり「ひかり」「のぞみ」にも乗車できる。
驚くべきは商品の価格だ。9月30日発までの価格は静岡地区発は7500円、中部地区発は1万1900円、関西地区発は1万5200円となっている。通常期における新大阪駅から東京駅までの「のぞみ」の普通車指定席料金は1万4720円となり、今回の商品が「革命的」であることがお分かり頂けるだろう。さらに関西地区発は+2200円でグリーン車片道分が利用できる。この機会に「のぞみ」のグリーン車を試すのもいいだろう。ただし目的地が東京なので、この商品はGO TOトラベル事業支援対象外である点に注意したい(他地区行きの商品では適用される)。
日帰りプランは以上のようになっているが、ホテルのグレードなどに合わせて「お値打ち」「ラグジュアリー」「ゆったり連泊」「ファミリー向け」のプランを選択できる。宿泊と列車利用をセットで旅程が組める。東京・品川発着の他、新横浜発着、京都発着、新大阪発着など、同じエリア内でも運賃が異なってくるケースがあるので、よく調べてプランを選びたい。
全列車に乗れるわけではないので注意
しかし「ひさびさ旅割引 日帰り1day東京」は東海道新幹線の全列車に乗車できるわけではない。試しに9月30日の新大阪~東京(調査日は9月2日)でチェックしたが、新大阪発6時~6時42分発「のぞみ」の普通車指定席、東京発は20時~21時24分発の「のぞみ」普通車指定席しか表示されなかった。
つまり新大阪駅・京都駅から「ひさびさ旅割引 日帰り1day東京」を利用する場合はプラン自体を新幹線の発車時刻に合わせる必要がある。なお静岡地区発は調査日の時点で、7時台~17時台(静岡駅発)の「こだま」「ひかり」に乗車でき、中部地区発と関西地区発よりも自由度は高いといえる。
利用にあたっては事前に乗車する列車を指定する必要があり、指定された列車以外に乗車すると出発地からの乗車券と特急券が必要となるので注意したい。
いずれにせよ、基本的な感染症対策をとった上で、東海道新幹線を使った国内旅行をするのはどうだろうか。
(フリーライター 新田浩之)