「避難所」のコロナ対策、どうすれば? 台風10号・九州各地で「定員オーバー」、断られる例も

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識者、「避難者数の把握、避難のあり方の周知徹底を」

   こうした事態は6日、九州各地で起きた。

   長崎県五島市は6日、市内全域で避難指示を出し、一時10数カ所が満員となった。市は、満員の避難所に来た避難者は別の避難所に移ってもらうよう依頼したという。鹿児島県内でも南九州市や薩摩川内市など多くの自治体で満員となる避難所が続出。スマートフォン向けのエリアメールや防災無線で住民に知らせたという。

長崎市五島市の避難所は一時、多くが「満員」となった(市ウェブサイトから)
長崎市五島市の避難所は一時、多くが「満員」となった(市ウェブサイトから)

   幸い、今回は避難所間の移動時の被害は確認されていないが、切迫した状況で、住民そして自治体はどのようにすればいいのだろうか。防災システム研究所の山村武彦所長は、「危険区域は感染防止より避難が優先」とした上で、J-CASTニュースに次のように話す。

「19年10月の台風19号襲来時に東京都内の13市区町村で避難所が満員になった場所があったように、コロナがなくてもそもそも避難所として使える施設が足りないのが実情です。一方で、自治体は災害発生時、『一刻も早く全員避難を』と呼びかけるため、一部で避難所が定員オーバーになってしまうのです」
「本来、優先的に避難しなければいけないのは浸水想定区域や土砂災害警戒区域など危険区域の住民です。逆に、水害が想定される時に、例えばマンションの中層階以上の人など、安全が確保できた人は在宅避難が原則です。自治体は、優先的に受け入れるべき避難予定者数を正確に把握し、場合によっては安全な場所に住む親類や知人宅、ホテルや旅館などへの『分散避難』も含めて、住民への避難のあり方の周知徹底と意識啓発が必要でしょう」

   一方、コロナ禍が長引く中、感染を恐れて避難しようとしない人もいるという。どうすればいいのか。

「熊本市では、新型コロナに感染している人は指定医療機関に避難させ、経過観察中の人などは保健避難所を設置することにしました。(新型コロナの感染が続く間、)自治体は率先して住民が感染を恐れて避難をためらわないような対策を取り、住民に周知する必要があります」
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