銀行大手が検討開始の「小口決済インフラ」は、本当に必要なのか?

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見え隠れする決済インフラの既得権益と安定性確保

   イメージ図中には「既存のJ-Debit基盤の活用を・・・」という記述がある。J-Debitとは、日本国内で、買い物時の決済にキャッシュカードを使って支払いが行える仕組みのこと。すでに1000を超える銀行が接続しているため、ゼロから新規でインフラに接続する必要がなく、J-Debit基盤を使えばシステム構築が行いやすい長所がある。

   一方でJ-Debit基盤で、決済データの送受信を担うのが「CAFIS」というサービス。NTTデータという企業が構築・運用している。J-Debitに限らずATMと銀行の機関システムとを接続するにも使われている。またNTTデータは全銀システムの構築・運用も手掛けているので、日本での決済の要を担っているといっても過言ではない。その上、35年以上の運用実績があるため信頼度は高い。

   しかし、2020年4月21日に公正取引委員会が公表した報告書(https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2020/apr/200421.html)によれば、CAFISの利用料金のうち「従量制料金は10年以上不変」と報告されている。日本の決済のネットワークを独占し、コスト引き下げを阻害する要因になっていると見られている。

   キャッシュレス社会で爆発的に増加する決済データを滑らかに処理するためには、日本の決済インフラの利害関係やシステム構成を滑らかにする必要がありそうだ。

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