岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
コロナ禍で急増するホームレスの現実

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   2020年夏、数か月ぶりにニューヨークに戻った。1970年代後半にこの街を初めて訪れ、80年代半ばから住み始め、変わり続けていく様子を見守ってきた。今回、コロナ禍の真っただ中にある街のあちこちを歩き回り、自分の目で見たこと、出会った人たちの声を、何回かに分けて紹介したいと思う。

  • ニューヨークのブロードウエイ劇場街で横たわるホームレス。脇の段ボールには大統領 選にからめた「サイン」があった(2020年8月、筆者撮影)
    ニューヨークのブロードウエイ劇場街で横たわるホームレス。脇の段ボールには大統領 選にからめた「サイン」があった(2020年8月、筆者撮影)
  • ニューヨークのブロードウエイ劇場街で横たわるホームレス。脇の段ボールには大統領 選にからめた「サイン」があった(2020年8月、筆者撮影)

物乞いもソーシャル・ディスタンス

   ニューヨークのダウンタウンで、マスク姿のホームレスの男性が車道を背に、プラスチックのカゴに腰かけ、1メートルほどの長さの棒の先に刺した紙コップを、無言で歩行者に差し出す。コロナ感染防止のために、ソーシャル・ディスタンスを取っているのだ。

   思わず「いいね」と男性に向かって親指を立てると、彼も笑顔で私に親指を立てて見せた。気温が高く蒸し暑い日だったので、彼の頭にはタオルがのっている。

   1ドル札を紙コップに入れ、「路上生活は辛いでしょう。でも冬よりはましですね」と言うと、「そうだね」とほほ笑んだ。

「Stay safe.(安全で健康で、ね)」

   新型コロナウイルス感染拡大で定番になった挨拶をし合い、別れた。

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