秘匿性高いアプリで詐欺グループが送ってきたのは...
やり取りの場をツイッターから通信アプリに移すと、詐欺グループは具体的な「業務」の内容を立て続けに説明し始めた。
「お客様の自宅に向かい、キャッシュカードを受け取る仕事です。(預かることは了承済みですので、お客様への説明は不要です。)お客様の自宅を出たら、指示通り動いていただき、終了となります」(詐欺グループ、原文ママ)
「給料はお客様の口座のお金の5%となります。月曜日から金曜日まで自由出勤で空いた時間でOKです」(詐欺グループ)
「応募者」が了承するメッセージを送ると、詐欺グループは写真や免許証の画像、携帯電話の番号を教えるよう求めてきた(再現はここまで)。
愛知県警によると、実際に逮捕した容疑者の中には、こうして得た個人情報を悪用し、「自宅も知っているし何だってできる」「逃げたり警察に話したりしたらどうなるか分かるよね」などと脅していた実例もあったという。
こうしたやり取りを未然に防ぐため、愛知県警生活安全総務課の捜査員は、ツイッター上を検索して疑わしい投稿を見つけ次第、警告メッセージを送っている。複数ある文言例のうち、最も多用しているのがこちらだ。
「こちらは愛知県警察です。このツイートは、詐欺等の犯罪の実行犯を募集する不適切な書き込みのおそれがあります」
効果はてきめんだ。愛知県警が2019年8月1日から20年7月末までに警告メッセージをリプライした2202件のうち、8割は募集ツイートが削除されたりアカウントごと削除されたりした。残り2割も、書き込み自体は残っているが、その後「凍結」状態になるなどして、使われていないという。