星野源は「ドラえもん」である 日本人の心を支えて...徐々に近づくキャラクター性

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   2020年9月5日に放送される「ドラえもん」(テレビ朝日系)が視聴者の間で話題だ。その理由は、同放送回に俳優の星野源さん(39)が特別出演するためだ。

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「好きと好きのコラボは大好きにしかならない! ありがとうございます!」

   同日の放送はドラえもんの誕生日である9月3日と、同作の漫画が連載開始から50周年を迎えたことを記念して行われるもので、タイトルは「50周年だよ!ドラえもん誕生日スペシャル!」。放送は5日16時30分からで、ネット上では「折しも50周年記念で、昨日はドラえもんのお誕生日でしたね。振り返るに良い感じですね」といった、放送開始を待ち望む声はもちろん、「ドラえもんに?!?!?!星野源さん特別出演?!」と、星野さんの出演を喜ぶ声が相次いでいる。

   ただでさえ人気の「ドラえもん」に人気芸能人の星野さんが出演するとあれば大きな話題になるのは当然。加え、星野さんは2018年公開の「映画ドラえもん のび太の宝島」で映画の主題歌(曲名は「ドラえもん」)を務めているほか、2019年10月からは同曲がテレビ放送での主題歌に採用されていることを考えると、世論が沸き立つのは必然と言えるだろう。

   また、星野さんのファンの間では「源さんのドラえもん特番!!好きと好きのコラボは大好きにしかならない! ありがとうございます!」と、星野さんとドラえもんがコラボすることの「尊さ」を絶賛する声が上がっている。まさに、「究極のコラボ」と言っても過言ではない今回の星野さんの「ドラえもん」への出演だが、これらの状況を考えてみると、星野さんが「ドラえもん」に関与することの「必然性」とでも言うべきものが存在しているように思えてならないのだ。

星野源に内在する「ドラえもん属性」

   ドラえもんとは主人公・野比のび太の親友として、同居人(?)として、ことあるごとにのび太から相談を受け、その不安や障害を取り除くべく、また時には願望を叶えるべく道具を取り出し、のび太を救っている。その姿はまさに「保護者」とでも言うべきものであり、のび太の支えとなる存在であり続けている。一方の星野さんだが、ファンにとって心の支えになっていることは疑いのない事実だが、それに加え、「日本人にとっての心の支え」になった瞬間が、つい先日に存在していたことを皆さんは覚えているだろうか。

   東京都などで緊急事態宣言が発出される直前の4月3日、星野さんはインスタグラムで自作の楽曲「うちで踊ろう」を公開。当時は新型コロナウイルスの流行が拡大期にあり、社会不安がこれでもかと頭をもたげていた時期だ。

   そんな状況で公開された同曲には、「たまに重なり合うよな 僕ら」「生きてまた会おう」といった、聞く者を鼓舞するメッセージがこれでもかとばかりにちりばめられており、たくさんの人々が励まされたのは記憶に新しい。「四次元ポケット」から飛び出した未来からの道具ではなかったが、それでも、星野さんが繰り出した楽曲によって、多くの人々の不安が和らいだわけであり、星野さんが人々を「救済」した瞬間だったと言えよう。

「重いんだよ!」となじられてしまう「オモえもん」

   さらに、星野さんは「平時の芸能活動」でも「ドラえもん属性」を発揮していた。それは、星野さんが出演する「LIFE!~人生に捧げるコント~」(NHK・不定期放送)でこれまでに複数回放送されてきた「オモえもん」というコントにおいてである。

   同コントにはドラえもんのパロディーと目される「オモえもん」というタヌキのような姿をした星野さん演じるキャラクター(設定上はロボット)が登場。オモえもんは同居する野村さとし(ムロツヨシさん=44)から相談を受けるとポケットから謎の道具を取り出し、その道具を使っての解決策を提示。しかし、その際には実に恩着せがましい態度を取るため、さとしから「重いんだよ!」となじられてしまう......といった展開が笑いを誘うコントだ。

   このコントはキャラクターだけでなくその展開に至るまで「ドラえもん」を意識させるものだが、2018年に星野さんが「ドラえもん」で主題歌を務めるという案件が出てくる前から(初出は2016年)放送されていたことは、星野さんが徐々にドラえもんに近づいていく、つまり、2016年の時点では「不完全なドラえもんだった」ということを暗示しているようにも思える。翻って2020年。星野さんは「ドラえもん」への出演を果たしたわけだが、それはすなわち、星野さんの「ドラえもん属性」が世に認められ始めたということを示唆しているのではないだろうか。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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