星野源に内在する「ドラえもん属性」
ドラえもんとは主人公・野比のび太の親友として、同居人(?)として、ことあるごとにのび太から相談を受け、その不安や障害を取り除くべく、また時には願望を叶えるべく道具を取り出し、のび太を救っている。その姿はまさに「保護者」とでも言うべきものであり、のび太の支えとなる存在であり続けている。一方の星野さんだが、ファンにとって心の支えになっていることは疑いのない事実だが、それに加え、「日本人にとっての心の支え」になった瞬間が、つい先日に存在していたことを皆さんは覚えているだろうか。
東京都などで緊急事態宣言が発出される直前の4月3日、星野さんはインスタグラムで自作の楽曲「うちで踊ろう」を公開。当時は新型コロナウイルスの流行が拡大期にあり、社会不安がこれでもかと頭をもたげていた時期だ。
そんな状況で公開された同曲には、「たまに重なり合うよな 僕ら」「生きてまた会おう」といった、聞く者を鼓舞するメッセージがこれでもかとばかりにちりばめられており、たくさんの人々が励まされたのは記憶に新しい。「四次元ポケット」から飛び出した未来からの道具ではなかったが、それでも、星野さんが繰り出した楽曲によって、多くの人々の不安が和らいだわけであり、星野さんが人々を「救済」した瞬間だったと言えよう。