「派閥の復活」説は「中身」を見ていない 菅氏「側近」が、政治は「全く変わる」と強調する理由【坂井学氏インタビュー】

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利害調整に「今までよりは色々なパターン」

―― 先ほどの、無派閥の人が総裁に選ばれることで「全く変わる」という点について、もう少し具体的に聞かせてください。利害関係の調整がしやすくなる、ということですか。

坂井: 調整がしやすくはなりませんが、物事を決めるときの決め方が変わるはずです。派閥の領袖同士で話しをして、「利害関係が一致するから」というだけではなく、そこに色々な要素が絡んでくることになります。今後「(具体的に)どう変わります」というのは言えませんが、今までよりは色々なパターンが出てくるだろう、ということです。

―― 具体的なことはやってみないと分からないけれども、何らかのメカニズムが変化する、ということですか。

坂井: 間違いなく変わると思います。

―― 菅氏は「非世襲」でもあります。そうした人がトップにつくことで、自民党の雰囲気も変わっていくのでしょうか。

坂井: これも(具体的に)何が変わるか申し上げられませんが、今回の3人の候補者の中で地方で高校卒業まで過ごしたのは菅さんだけです(編注:岸田文雄氏は開成高校(東京)、石破茂氏は慶應義塾高校(神奈川)出身)。それに加えて、(実家の)農家というものを継ぐか継がないかを突きつけられたわけです。これは、今の地方にある、色々な方々が経験をしてきたことと同じことを経験をしているわけです。ですから、地方・地域の色々なことを実感することができると思います。その後、(菅氏は)東京に出てきて町工場の従業員、つまり労働者でした。こういった立場を経験したことのある方が国会議員になって、要職に就いてこられた。総理ということが実現をすると、まさしく本当に多くの方の希望になると思います。実際にそこで見てきたもの、感じたものを土台に、自分で組み上げてきたわけです、ここまで。

―― 世襲の人とは大きく違った経歴ですね。

坂井: 簡単に言うと、ご本人が全部自分でやらざるを得なかった。全部自分でやるということは、誰もセットアップしてくれない、段取りをつけてくれないわけですから、裏を返すと段取りの付け方も分かる、ということです。ですから、今までの2世3世だと準備の仕方が分からなかったものでも、(菅氏は)それが全部ある。それはもう、視点・視線が広くなる上に深くなると思います。そこからくる結論というのは当然、例えばみんなが同じ中小企業振興政策に取り組むと言ったにしても、やる人によって、その中身は変わってこざるを得ないと思います。
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