「派閥の復活」説は「中身」を見ていない 菅氏「側近」が、政治は「全く変わる」と強調する理由【坂井学氏インタビュー】

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   自民党総裁選(2020年9月8日告示、14日投開票)に現時点で立候補を表明している3人のうち、とりわけ安倍晋三首相の政策を「継承」すると繰り返しているのが菅義偉官房長官だ。

   菅氏は3人の中で唯一「無派閥・非世襲」だ。30人ほどいる無派閥・非世襲の議員でつくる「菅グループ」の出馬要請後に出馬を表明した菅氏だが、すでに5派閥が菅氏の支持を決め、結局は派閥の力学で物事が決まるとの指摘も根強い。仮に菅(すが)政権が誕生するとなれば、安倍政権から何が変わり、何が変わらないのか。菅氏の側近のひとりとして知られ、9月2日の出馬会見では司会も務めた坂井学衆院議員に聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

  • 自民党総裁選について語る坂井学衆院議員
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「菅グループ」が「派閥」と「全く違う」理由

―― 坂井議員をはじめとする、派閥に所属しない議員による「菅グループ」の議員有志が出馬の要請をしたこともあって、菅義偉官房長官は9月2日に正式に立候補を表明しました。この「菅グループ」は、「派閥」とは、どう違うのでしょうか。

坂井: 全く違います。集まっているメンバーの目的、出来上がる過程も違います。派閥というのは、派閥、政策集団があって、最終目的は今行っている総裁選で総裁を出すことです。それに対して我々は、今こうやって集まって連絡がとれる体制は取っていますが、(菅)長官とそれぞれのメンバーの一対一の人間関係が基本です。みんな無派閥なので、情報も入ってこなければ相談できるような関係にもなりにくいということで、みんな「長官と関係があるのだから、情報交換しよう」ということで集まり始めた、という経緯です。

―― 長官も無派閥ですね。

坂井: 長官は今は無派閥で(編注:09年に古賀派を退会してから無派閥を続けている)、2世でも3世でもないということで、今までも大変苦労してきました。そこで、無派閥で、しかも2世3世のような基盤がないところでやっていくのは大変だろうから、そういう人を応援したいというのが長官(との関係)のスタートです。そういう(菅氏から声をかけられた)人たちは同じような境遇でぽつぽついるわけで、「みんなで集まって話をしたり情報交換したり、助けたり助けられたり」をやろうよ、ということで集まっているので、派閥とは全く違います。

―― いわゆる派閥と比べると「緩やかなつながり」だというイメージですか。

坂井: 「緩やか」というか、自発的にみんな必要だから集まっているので、「派閥ありき」ではありません。しかも、この会に忠誠があるのではなく、元々、菅さんとの付き合いがあった人たちが集まっているわけですから、その視線は菅さんに向かっているわけです。「派閥がこうだ」「グループがこうだ」といったこととは、全く違います。

―― 長官はこれまで、月刊誌のインタビューや記者会見で、「ポスト安倍」の可能性を繰り返し否定してきました。そんな中で「菅グループ」は8月31日に出馬要請しました。

坂井: チャンスがあれば...というか、総裁選になれば、私どもは以前から出ていただきたいという思いがありました。ご本人が「今の政権を支え、うまく回すことに徹するべきだ」ということをずっとおっしゃっていたので、我々もそれ以上言わなかったのですが、いきなりの総理の辞意表明で総裁選に流れ込むという形になったわけです。総裁選があることが分かれば、以前から我々の思いとしては「出ていただきたい」ということだったので、その思いを伝えに行きたいということで(出馬要請のための面会の)お願いをしたということですね。
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