大量リードの打席で「モノマネ」 巨人・田口が「西川→吉川→丸→亀井」リレー、ファンは大喜びも...

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   2020年9月3日の巨人対DeNAで、珍しいファンサービス(?)があった。

   巨人の田口麗斗投手が打席で次々とモノマネを披露し、ファンの注目を集めた。

  • 田口麗斗投手(江戸村のとくぞう/Wikimedia Commonsより)
    田口麗斗投手(江戸村のとくぞう/Wikimedia Commonsより)
  • 田口麗斗投手(江戸村のとくぞう/Wikimedia Commonsより)

「クオリティーが高い」「どんどんやってほしい笑」

   6回裏一死一二塁のチャンスで第四打席に立った田口投手。自身の快投&タイムリーヒットで13対1とリードの場面で、これまでと様相が異なる打撃フォームで臨んだ。

   打席入りの際、バットを真っ直ぐに立て、右脚を大きく上げて軽く一振り。日本ハムの西川遥輝選手のルーティーンを思わせる所作だ。

   いざ対戦となると、バッティングフォームが小刻みに変化した。1球目は構えを作るまでの動きが吉川尚輝選手に、2~4球目は足のスタンス幅やバットの寝かせ方が丸佳浩選手に、ラスト5球目はバットを揺らしてタイミングを取る姿が亀井善行選手にそっくり。各選手の特徴を模したとみられる。

   見逃し三振でベンチに戻った後、選手から何か声をかけられ、満面の笑みで応じていた。

   田口選手はムードメーカーとして知られる。球団のSNSでもたびたびモノマネを披露し、ファンを楽しませてきた。今回のプレーもツイッター上では「クオリティーが高い」「どんどんやってほしい笑」と話題になった。

あまり気持ちいいものでは無い

   一方で、「ベイスターズファンから見るとあまり気持ちいいものでは無いかも...」「気が短いピッチャーだったら当てられそう」と否定的な見方や、「報復」を心配する声もあった。

   そのほか、「田口は点差があるから打つなって言われてそれで暇やからこうしたと予想する」「この打席で田口が打ったら暗黙の了解を破ることになるから、こうするしかないのか」との指摘があった。

   野球には数多くの暗黙の了解、たとえば大差でのリード時に盗塁はしてはいけない、などがある。今回のケースのように、圧倒的優位のチームの投手が打つのは「掟破り」となるかは微妙だが、過去には「事件」も起きている。

   01年5月22日の巨人対ヤクルト。9回表、8―1とリードで打席に立ったヤクルトの先発・藤井秀悟投手(現・DeNA広報兼打撃投手)は、遊ゴロを打ち全力疾走したために、巨人ベンチから強烈なヤジを浴びた。藤井投手は裏のマウンドに涙を流しながら上がり、3連続四死球などリズムを崩し、無念の降板となった。「藤井は帰り際まで『2年目でプロのしきたりを知らなかった。あす、巨人の皆さんに謝ります』と話した」(スポーツ報知より)

   この試合に出場した元木大介、後藤孝志両選手は巨人の現コーチ。田口投手は大差がついた第三、四打席では、打撃に定評(今季打率.294)があるものの一度もスイングせず、"しきたり"に従って「打つな」の指示が出ていた可能性がある。モノマネは、不文律を破らない形での"ファンサービス"だったかもしれない。

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