ロシアは9月2日→3日へ回帰
ソ連・ロシアの対日戦勝記念日は終戦以後9月3日だったが、2010年にロシア政府は9月2日を「第2次世界大戦終結の日」と定める法改正を行った。ところが20年4月に、ロシア政府はこの「第2次世界大戦終結の日」を9月3日に変更する改正法案を可決した。9月3日への回帰は退役軍人や対日強硬派の意向が働いたとみられる。ソ連時代の伝統や北方領土問題での日本への牽制を意識しているようだ。他方で、第2次大戦終結の日をクローズアップすることで、04年9月1~3日に発生し人質の生徒ら300人以上が死亡したベスラン学校占拠事件の風化を図っていると見る向きもある。
ロシアと中国の意図はそれぞれ異なるが、大戦の記憶が遠ざかる中で対日戦の勝利を政治利用する思惑が、「9月2日」と「9月3日」の扱いに影響している。