日本でもネットフリックスで配信中の韓国ドラマ「愛の不時着」を解説した本が急きょ発売中止になり、主演する韓国の俳優ヒョンビンさん(37)のファンらから悲鳴も上がっている。
発売元の幻冬舎は、「総合的な判断」だとサイト上で説明した。同社の見城徹社長は、交渉で欠けていた部分があったとSNS上で示唆しているが、一体何があったのだろうか。
「弊社の総合的な判断により」と公式サイトなどで説明
ヒョンビンさんが北朝鮮の軍人を演じ、韓国で高視聴率となった「愛の不時着」は、日本でも2020年2月から配信が始まり、韓流スター好きの女性らの支持を集めた。
そして、この人気ドラマの舞台裏などについて、韓国在住ブロガーのMisaさんがドラマに詳しいライターらと書いた「『愛の不時着』の謎」が9月18日に発売される予定になっていた。
発売元の幻冬舎でも、8月27日に発売決定を発表してから、公式ツイッターなどで、このドラマ本を盛んにPRしていた。
ところが、9月1日になって突如、幻冬舎の公式サイトで発売中止のお詫び文が掲載された。そこでは、「弊社の総合的な判断により、発売を中止することにいたしました」とだけ説明している。
著者のMisaさんも同日、「重要なお知らせ」として、著書が発売中止になったことをツイッターで報告した。「諸事情により発売が中止となりました」とし、その後、ファンらから残念がる声が寄せられると、「ほんと申し訳ないです 私も残念です。。」と漏らしていた。
発売中止については、見城社長も、「総合的な判断の結果、出版を中止することになりました」とSNSで明かした後、ドラマ本のこととは明言していないものの、次のように現在の心境を明かした。
ヒョンビンさん側の意向などかについて、幻冬舎「聞いていない」
「世の中には色々なことがある。上手く行く時も上手く行かない時もある。それは百も承知だが、それでも溜息が出てしまう。こちらには好意こそあれ、悪意は一つもない。それはこちらの『つもり』であって、相手に通じなければ意味がない。僕の仕事は『交渉』が殆どだ。最初からしなければいけない[何か]が欠けていたのだ、と反省するしかない」
ドラマの解説本が発売中止された背景について、ネット上では、ヒョンビンさんの写真集「ヒョンビン、海兵隊の日々」が8月20日、急きょ発売中止になったことと関係があるのではないかとの憶測が流れた。
この写真集は、日本での「愛の不時着」人気を受けて、朝日新聞出版から9月7日に発売予定だった。しかし、ヒョンビンさんの所属事務所と写真集原書の版元である韓国の出版社がトラブルになっていると韓国メディアが報じ、朝日新聞出版が「韓国の出版社から翻訳出版契約を解除したいとの申し出があった」と発売中止の理由をサイトで説明していた。
今回のドラマ本の発売中止がヒョンビンさん側の意向を反映したものかなどについて、幻冬舎の総務担当者は9月2日、「そのようなことは聞いていません」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
「詳細については、お話し致しません。あくまでも、弊社の総合的判断だということです」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)