京都精華大学は2020年9月1日に公式サイトを更新し、教員がフェイスブック上で不適切な発言を行ったとして、厳重注意を行ったと発表した。
「人間尊重の立場をとるべき本学教職員として不適切な行為」
シンガーソングライターの松任谷由実さんに対し、京都精華大学の白井聡講師(政治学・思想史)が8月29日に自身のフェイスブックで「荒井由実のまま夭折すべきだったね。本当に、醜態をさらすより、早く死んだほうがいいと思います」などと自身のフェイスブックに投稿していた。
投稿はラジオ番組「松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」(ニッポン放送)での松任谷さんの発言を報じたスポーツ紙の記事を受けたもの。松任谷さんは28日夜の放送で、安倍晋三首相の辞任会見について「テレビでちょうど見ていて泣いちゃった。切なくて」と心境を明かしていた。
白井氏はフェイスブックやツイッターなどで安倍政権を批判する投稿を繰り返してきており、松任谷さんへの非難にはそうした背景があったとみられている。
発言をめぐり、インターネット上で批判が続出したことを受けて、白井氏は1日にフェイスブックを更新。投稿の削除を行ったとした上で、松任谷さんへの非難について「偉大なアーティストは同時に偉大な知性であって欲しかった。そういうわけで、つい乱暴なことを口走ってしまいました。反省いたします」とコメントした。
これを受けてか、大学は公式サイトに「本学教員のフェイスブック上の発言について」という題名で謝罪文を掲載し、石田涼理事長の名義で
「このたび、本学教員によるフェイスブック上での不適切な発言がありました。『人間尊重』『自由自治』を理念に掲げ、ダイバーシティの推進により多様性を大切にする本学では、個人の主義主張、思想、信条の表現や発言に寛容でありますが、今回の発言は、人間の命を軽んじた内容であり、人間尊重の立場をとるべき本学教職員として不適切な行為であったため、厳重な注意を行いました。本件におきまして、不快な思いをされた方々、ご心配をおかけした方々に、深くお詫び申し上げます」
と、「厳重な注意」を行ったことを発表した。