抱き合って眠る「2人の女性」、さりげない起用...「好きな人ができたから。」 渋谷駅の大型広告に反響

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   入浴剤ブランド「BARTH」は、通行人に積極的な睡眠を呼びかける大型広告を2020年8月24日~8月30日にかけて東京・渋谷駅のコンコースで展開した。

   広告に「お試し用の入浴剤」が付いているというユニークさが特徴だったが、モデルとして抱き合って眠る2人の女性を「さりげなく」起用したことにも注目が集まった。担当者は反響をどう受け止めているのか。

  • 抱き合って眠る女性の姿を起用した入浴剤広告が話題(画像はTWO提供)
    抱き合って眠る女性の姿を起用した入浴剤広告が話題(画像はTWO提供)
  • 抱き合って眠る2人の女性が起用された広告(TWO提供)
    抱き合って眠る2人の女性が起用された広告(TWO提供)
  • 抱き合って眠る女性の姿を起用した入浴剤広告が話題(画像はTWO提供)
  • 抱き合って眠る2人の女性が起用された広告(TWO提供)

渋谷駅で展開、約146メートルの巨大広告

   広告はビジネスパーソンに向けて、意識的に質の良い睡眠をとることを呼びかける「睡眠投資プロジェクト」の一環として掲載。合計12組の人々が眠る姿を横に並べ、約146メートルの巨大広告に仕立てた。広告にはBARTHのお試し入浴剤が付属し、コンコースを通る人々が自由に持ち帰ることができる仕組みだった。

   こうしたユニークな仕掛けの一方、ツイッター上では「別の点」が注目を集めた。眠っている12組の人々は「ビジネスマン」「老舗旅館の15代目」「ラッパー」などさまざまなバックグラウンドを抱え、それぞれが「睡眠投資」をする理由を寄せている。そのうちの一人、「好きな人ができたから。」と語る会社員の女性は、もう一人の女性とともに抱き合って眠っている。

   広告では2人の関係性が記されているわけではなく、あくまで12組の中の1組として、自然な形で溶け込んでいる。ツイッター上では「同性愛」を過度に強調するような従来の広告手法とは一線を画しているとして「お洒落」「こういう自然な広告が増えて『当たり前』になっていくといいですね」などの反響が広がった。

新しい価値観「まだまだ自然ではない」

   2人の関係性を強調しない広告は、意識的に作ったものだったのだろうか。BARTHを手がけるTWO(東京都)の広報担当者は8月31日、J-CASTニュースの取材に対し、「様々な職業や肩書き・立場、ライフスタイルの方を複数起用することで多様性を表現したいと考えました。時代にマッチした多様性は意識しました」と広告の意図を答えた。

   ただ、2人の女性は「仲良しな友達」「同性愛カップル」のどちらでも取れるような形で撮影したといい、「見る人によっては同性愛カップルと解釈する方もいるかもしれませんし、そこは見る方の価値観に委ねられれば」と語った。

   広告が掲載された渋谷区は15年に「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」を施行し、20歳以上の同性カップルに対して「パートナーシップ証明書」を発行している。こうした土地柄で広告を展開したことについても「特別に意識はしていない」といい、「場所が新宿や丸の内など、渋谷以外の場所だったとしてもこういった形で掲出したと思います」とした。

   広告制作の過程で「意識しなかった」点が注目を浴びたことについて、担当者は「全く想定しなかった」としつつ、「こういった広告表現や新しい価値観というものがまだまだ自然ではないからこそ、注目されるのだろうと感じております」と分析する。その上で、

「いい意味でこういったことがいずれ自然と受け入れられ、今回のように(メディアに)取り上げられることはない、多様性を誰もが受け入れる時代になると良いなと思いました」

と思いを語った。

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