新しい価値観「まだまだ自然ではない」
2人の関係性を強調しない広告は、意識的に作ったものだったのだろうか。BARTHを手がけるTWO(東京都)の広報担当者は8月31日、J-CASTニュースの取材に対し、「様々な職業や肩書き・立場、ライフスタイルの方を複数起用することで多様性を表現したいと考えました。時代にマッチした多様性は意識しました」と広告の意図を答えた。
ただ、2人の女性は「仲良しな友達」「同性愛カップル」のどちらでも取れるような形で撮影したといい、「見る人によっては同性愛カップルと解釈する方もいるかもしれませんし、そこは見る方の価値観に委ねられれば」と語った。
広告が掲載された渋谷区は15年に「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」を施行し、20歳以上の同性カップルに対して「パートナーシップ証明書」を発行している。こうした土地柄で広告を展開したことについても「特別に意識はしていない」といい、「場所が新宿や丸の内など、渋谷以外の場所だったとしてもこういった形で掲出したと思います」とした。
広告制作の過程で「意識しなかった」点が注目を浴びたことについて、担当者は「全く想定しなかった」としつつ、「こういった広告表現や新しい価値観というものがまだまだ自然ではないからこそ、注目されるのだろうと感じております」と分析する。その上で、
「いい意味でこういったことがいずれ自然と受け入れられ、今回のように(メディアに)取り上げられることはない、多様性を誰もが受け入れる時代になると良いなと思いました」
と思いを語った。