女優の階戸瑠李さんが2020年8月28日に31歳で亡くなっていたことが、8月31日に所属事務所よりから発表された。
直近の出演作品としてドラマ「半沢直樹」(TBS系)が放送されたばかりだったが、他にもグラビア・ドラマ・舞台・映画と精力的に活動していた。早すぎる死を惜しむ声が相次いでおり、多方面での活躍ぶりをファンや共演者が惜しんでいる。
「全裸監督」では濡れ場も
階戸さんは1988年10月30日生まれで、上智大学を卒業後に「ミスFLASH2013」に応募、グランプリを獲得して芸能界デビューを果たす。グラビアアイドルユニット「G☆Girls」のメンバーとしても2016年まで活動していた。
初の出演舞台は2012年の「戦国降臨GIRL」で、以後コンスタントに舞台に出演。とりわけ。劇団「STRAYDOG」プロデュース公演にしばしば出演しており、2017年「蒲田行進曲」小夏役、「あなたには帰る家がある」佐藤真弓役で主演、2019年も生前最後の舞台になった「嫌われ松子の一生」川尻松子役で主演と着実に経験を積んでいた。
階戸さん自身は2019年「熱海殺人事件」出演時に感じたことを投稿サイト「note」でつづっている。
「昨今の日本の表現や芸術分野に対しての意識の低さ(個人の話ではなく、国として)をひしひしと感じる中で、私たちが舞台に立つ意味は何なのだろうとつくづく考えさせられます。直接足を運ばなくても、ネットなどで何でも観られるような時代ですし。
私は今まで、本や映画、演劇に何度も励まされてきました。勇気をもらって、もう少し踏ん張ってみようと思えることができました。でもそれは、親しき友人に会ったり、美味しいものを食べたり、公園を音楽を聴いて散歩してみたり・・・そういったことでもいいんだなと。それで清々しい気持ちになり、明日も頑張ろうと思えるのはすごく素敵だなと。
そんな自分の時間を自由に選択できる中で、熱海殺人事件を観るために時間を調節して時間と労力をかけて、荻窪に足を運んでいただけたことがもう、言いつくせない程の感謝の気持ちしかないのです。
だからこそ、私たちはぶつかったり喧嘩したり、ある意味で自身を犠牲にしたりしてでも観る価値のある作品を作らなくちゃいけないと思うのです」
ドラマでは1度の出演シーンで話題となった「半沢直樹」の他にも「十津川警部シリーズ5/京都・嵯峨野殺人迷路」(2018年)などに出演、「十津川警部」ではクラブのホステス役を演じたが、これはグラビアアイドル出身ならではの役どころだろうか。
他にも特撮ドラマ「ファイヤーレオン」(2013年)では喫茶店「CAFE FRIENDS」の店員・彩香役で準レギュラー役で出演、やはりというか、シースルーの露出度の高い服装でいることが多かった。
Netflix配信のドラマ「全裸監督」(2019年)では、第1話で主人公・村西とおる監督の妻役で登場、劇中でいきなり不倫に走って濡れ場を演じ、視聴者にインパクトを与えた。
映像作品ではセクシーな役回りが多かったが、前出の舞台活動のように活躍は多岐にわたり、俳優として表現の場を前向きに模索していたことがうかがえる。現在公開中の映画「東京の恋人」にも出演している。
「自分の全ての時間を大好きなお芝居のスキルアップに使い...」
階戸さんの急逝で、これまでの共演者からは惜しむ声が相次いでいる。「ファイヤーレオン」で共演した声優・三森すずこさんはツイッターで「階戸瑠李ちゃんの突然の訃報に衝撃...ファイヤーレオンでカフェのオーナーとアルバイトとして、共演していました。懐かしいね...ご冥福をお祈りします」と8月31日にツイートした。
階戸さんと共に「ミスFLASH2013」グランプリに選ばれた永井里菜さんも訃報が流れた同日に「心臓のバクバクが止まらないよぉ ええ。。嘘だぁ、、、瑠李ちゃん。。。本当にショック」とツイートしている。同じく「ミスFLASH2015」グランプリ獲得メンバーで「G☆girls」でも共演していたあべみほさんもツイッター上で
「いろんな想い出たくさん いっぱい一緒に
踊って歌って笑って泣いたね
だらだら珈琲飲みながら
悩み打ち明け合って共感してまた笑ってさ
全部楽しかったよありがとう
「階戸瑠李」をずっと忘れません」
と投稿した。
階戸さんの所属事務所のジースター・プロは8月31日に訃報に続いて、「階戸瑠李を応援して頂けた全ての皆様へ」とのタイトルでメッセージを公表した。そこには
「人一倍責任感が強く
仕事に対して、誰よりも直向きな姿勢でストイックに臨む子」
「本当に..."これから"だったんです
あの子が"女優"として
直向きな努力を重ねてきたこと
その応えが、出始めてきて
先で大きなお仕事も決まり...
本当にこれからでした」
「女優になるため、自分の全ての時間を
大好きなお芝居のスキルアップに使い
勉強に勉強を重ね
本当に、これからという子
お仕事のジャンルや内容に関わらず
グラビア時代もファンの皆様を一番に考え
大切にし、ありったけのサービスを届ける
エンターテイナーとしての気概を見せてくれる子でした。
本当に女優として、これからの子
悔しくて悔しくて悔やみ切れないんです。
本当に、努力努力努力の子だったから」
「本当に"素晴らしい女性であり、役者"
それだけ伝えたかったです。」
と、階戸さんを失った心境が率直につづられている。