調査結果に「偏り」はない? 詳しく聞いてみた
Yahoo!の「みんなの意見」は、新聞社や通信社、テレビ局がYahoo!に配信した記事のうち、Yahoo!ニュースの編集者が公共性や社会的関心などの観点から選ぶ「トピックス」から見られる。自民党総裁選に関する「みんなの意見」は安倍首相が辞任表明した8月28日の夜に立ち上がり、総裁選に関するトピックス記事の大半に付けられていた。
Yahoo!の広報担当によると、2019年のYahoo!ニュースの利用者は男性が60%、女性40%。年代別では、20代以下が13%、30代が22%、40代が29%、50代が21%、60代15%となっている。40代男性が「コアユーザー」と言える。同じユーザーが複数回投票しないよう、各質問には1回だけ投票できる仕様にしているという。
「設問作成の際には特定のユーザーに対して偏りがないように、また特定機関の主張を元にするというようなことは避け、公平中立な設問であるようにしています」(Yahoo!広報担当者)
一方、共同通信総務局によると、電話調査では、有権者がいる世帯の固定電話にかかった716件のうち528人、携帯電話では電話がかかった1355件のうち522人から、それぞれ回答を得たという。合計したサンプル数は計1050件。統計的に偏りが出ないよう、電話番号をランダムに発生させ、その番号に電話をかけて、かけた世帯の対象者から調査相手を選ぶ「RDD」と呼ばれる方式で調べたという。
RDDは他の新聞社などでも使われる方式だ。一般的には、地域が偏らないよう、10桁の電話番号のうち冒頭の市外局番以降の「上8桁」を、人口に比例した確率になるように抽選する。
それでも、「固定電話だと高齢者や専業主婦が多く、結果は偏っている」といった印象を持つ人は多いだろう。朝日新聞の20年4月17日付夕刊の「世論調査のトリセツ」と題された記事によれば、固定電話の場合は電話に出た人にすぐ意見を聞くのではなく、その家庭の中から対象者を1人選ぶという。その上で、
「『有権者は3人』とわかれば、コンピューターで抽選して『年齢が一番下の方』などと決定。不在の場合でも対象者は変えず、2日間で何度か電話します」(朝日新聞の4月17日付夕刊の「世論調査のトリセツ」から)
という。こうしたそれぞれの調査の特徴を踏まえ、あくまで「1つの傾向」として結果を見ればいいだろう。