森永製菓や産経デジタル社などと提携するプロeスポーツチーム「野良連合」の代表を務めるKizoku氏が2020年8月30日、一連の騒動の責任を取る形で辞任を発表した。
同氏をめぐっては、選手への給与未払いやパワーハラスメントなどが取り沙汰されていた。
「告発ブログ」拡散
野良連合は2016年に発足。国内外に多くのファンを擁し、19年12月には産経デジタル社と広告マネジメント業務契約を、20年7月には森永製菓とパートナー契約を結んだ。
コナミデジタルエンタテインメントが運営するeスポーツの教育施設「esports 銀座 school」では、野良連合の複数の選手が講師を務めている。
騒動の発端は、一般のツイッターユーザーが8月中旬、野良連合の選手が給与を支払われていないことを示唆する内容を書き込んだためだ。それに端を発し、Kizoku氏の私生活での素行の悪さや選手への給与未払い、パワハラなどの疑惑が浮上し、関係者の情報提供をもとにした「告発ブログ」も拡散した。
野良連合は8月26日、ツイッターで「この度の一連の炎上騒動につきましては、事実が極めて大幅に誇張され、かつ捻じ曲げられております」と完全否定し、民事・刑事の両面で法的措置を検討していると発表した。
「未熟さや過ちがあった」
それから4日後、野良連合の代表であるKizoku氏がツイッターで騒動に言及した。
冒頭、「今回の一連の騒動につきましては、ファンの皆様、関係者の皆様にご迷惑をおかけしたこと、改めて深くお詫び申し上げます」と謝罪し、「私個人のプライベートにおける未熟さや過ちがあったことは疑いようがなく、改めて事実関係を皆様に説明し、謝罪しなければならないと思っております」「チームへの気持ちが熱くなるあまり、脱退していく選手への間違った言動もありました」と一部の疑惑を認めた。
一方、「騒動の原因の一部となっております給与未払い、野良連スキン(編注:ゲームアイテム)の販売収益の私的利用については、事実無根」などと誤解を受けているとも主張した。現在、解決に向けて第三者に相談していると明かし、「全てのことをここで公にすることはできません」と理解を求めている。
Kizoku氏は騒動の責任を取って代表を辞任し、今後の組織体制については追って発表するとした。
Kizoku氏の投稿には、所属選手が続々と反応し、「給料いただいて活動しておりますのでファンの皆様ご安心ください!」などと異口同音に給与の未払いを否定している。同日に脱退を発表した選手も「辞めた理由は騒動が原因です。給与は頂いてました」と報告した。
J-CASTニュースは野良連合およびKizoku氏に取材を申し込んだが、期日までに回答はなかった。回答があり次第、追記する。