「河野太郎官房長官といった『オール神奈川』のうわさも」
こうした情勢について、政治評論家の有馬晴海さんは、次のような見方を示す。
「菅さんは安倍さんにもあいさつに行ったはずで、安倍さんは、8年間お世話になった菅さんを今度は支えようと考えているのだと思います。所属する細田派からは候補は出さず、団結してバックアップするでしょう。麻生派は、まだ分かりませんが、麻生さんは『総理に聞いて考える』と言ったとも聞いていますので、総理が菅さんを支えるのなら、麻生さんも菅さんになるのでは」
岸田氏については、麻生氏や安倍首相があいさつに対応したものの、形勢不利と見て出馬しないかもしれないという。しかし、そうすれば芽がなくなる可能性があるとして、無理をしても出馬することもありうるとした。
一方、石破氏も、二階氏や菅氏の支持を期待していたものの、急展開で不利になった形だ。二階氏が党員投票はやらない考えを示していることから、そのことに抗議するとして出馬しない可能性もあるとしている。
「二階さんは、自民党の一枚岩を目指し、無投票を狙っている可能性もあると思います。しかし、実際に無投票では総裁選が盛り上がりませんので、誰かが顔見せで出馬することはあるでしょうね」
そうなると、今後はむしろ首相指名後の組閣や党人事に政界の関心が移る可能性がありそうだ。
「二階さんは、幹事長を続投するつもりでいると思います。うわさでは、防衛相の河野太郎さんが官房長官で、環境相の小泉進次郎さんも起用して、菅さんと同じ『オール神奈川』といった線が出てくるとも言われています。安倍さんが今後のコロナ対策を打ち出したばかりですので、経済再生相の西村康稔さんら大臣はそんなに変えないと思います」
もし菅氏が次期首相になったときは、時間を置かずに衆院解散・総選挙に踏み切る公算が高いとみる。
「選挙で勝てば、菅さんのおかげだとみな恩に着るはずですので、仕事のあらが見えず、人気のあるうちに解散するのではないですか。秋に解散すれば、早ければ、10月25日投開票になる可能性があると思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)