「有権者は色んな業界、職種の人で成り立っている」
星野さんは、もし党員投票ができるなら、石破氏に一票を投じたいという。田中角栄氏の後押しで政界入りした石破氏。「角栄流」にならって「どぶ板選挙」を地で行く姿勢が好きだという。自民党幹事長だった2013年と地方創生相だった2015年に石破氏が新潟県に来た際に会い、前回2018年の党総裁選の時に新潟で遊説した際も応援に駆けつけた。
「今、(総裁候補として)名が挙がってる人たちの中で、全国や地方の隅々の実情までわかっている人がどれだけいるのか。党員投票があれば、今回も石破さんはいいところ行くと思いますし、『もしかして』もあり得る。それだけに、今の流れは残念です」
「国民政党」を標榜する自民党を支える党員は、1991年の546万人がピークで、2019年は108万人。二階俊博幹事長は「党員120万人」を目標に掲げ、党勢拡大を呼びかける。国会議員や地方議員に事実上「ノルマ」を課しているほか、農業や建設など各職域団体にも協力を求めている。
横浜市の看護師の女性(49)は20年以上前から自民党員だ。看護師資格取得後、地元の看護師会に入党するよう求められ、党員になった。
「何となく、という流れで入りました。基本は『ノンポリ』で、共産党は嫌だけど、野党に応援したい人もいなかったので。衆院選は地元の自民党候補、参院選比例区では(自民党から出る)日本看護連盟の代表に入れていました。医療従事者の仲間の多くは同じような感じじゃないですか」
かつての自民党総裁選時は、なぜか党員ではない夫や娘の分の投票用紙が送られたこともあったが、「幽霊党員」が問題となった2000年のKSD事件以降、投票用紙は女性の分1枚だけになったという。
「今回、もし投票できるなら、同じ神奈川県が地元の河野太郎さんに入れたいです。新型コロナウイルスの対策があるから『政治的空白があってはならない』というのは、私も医療従事者の1人なので理解できます。でも、自民党、そして有権者は色んな業界、職種の人々で成り立っているわけで、できるだけ幅広い層の声を吸い上げるようにしてほしいので、党員投票はやってほしいです」