自民党員に聞いた総裁選への思い 党員投票「見送り」方向には「永田町の論理で選んでも...」

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   安倍晋三首相の後任を選ぶ自民党総裁選では、党員・党友投票が省略される見通しになっている。長年、選挙や政治活動を現場で支えてきた党員からは「全国の幅広い層の声を吸い上げて」「永田町の論理で選んでも国民は納得しない」などと異論が出ている。現場の党員らの思いは。

   総裁選の選出方法は、2020年9月1日の党総務会で正式に決まる見込み。「党員投票は見送る方向」(朝日新聞8月31日付朝刊)などと各紙が報じたように、党員・党友投票は省略し、両院議員総会での国会議員らの投票で選出する方向だ。

  • 選挙や政治活動を現場で支えてきた自民党員からは党員投票を求める声が相次いだ
    選挙や政治活動を現場で支えてきた自民党員からは党員投票を求める声が相次いだ
  • 近年の自民党総裁選での獲得票数
    近年の自民党総裁選での獲得票数
  • 選挙や政治活動を現場で支えてきた自民党員からは党員投票を求める声が相次いだ
  • 近年の自民党総裁選での獲得票数

「選挙の最前線で汗かいてきた100万人の声、ないがしろ」

「国政選挙や地方選挙の最前線で汗をかいてきた100万人の党員の声をないがしろにするのでしょうか。(党員投票は)『手間がかかるから省略』ということですけど、2週間もあれば十分(選挙は)やれるはずです。あんまりですよね」

   新潟県長岡市の自営業・星野博和さん(55)は憤った。故・田中角栄氏の後援会「越山会」の会員だった祖父の代からずっと自民党員。地元選出の田中真紀子元衆院議員や故・長島忠美元衆院議員の後援会員でもあった。妻と子ども3人、母の家族6人も党員で、党費計2万4000円は毎年忘れずに支払ってきた。

   角栄氏の時代以降、地元が少しずつだが発展している感触を抱いていた。星野さんが子どもの頃に通学で通っていたあぜ道はきれいに舗装され、消雪パイプも隅々まで行き渡る。高校の同級生が就職に困っていた時、越山会系の新潟県議の事務所の紹介で、就職先が決まったことも覚えている。だから、選挙の時は手弁当で支援に奔走した。

「街頭演説の動員やポスター貼りなどは当然です。ボランティアで『電話作戦』もやったし、厳しい選挙の時は仕事を休んで選挙カーも運転しました」

   それだけに、9月14日が有望視される党総裁選で党員投票が実施されない流れになっていることに納得が行かない。

「日本の総理を決めるんでしょ。それなのに永田町の論理で、永田町の住人中心で決めるなんて、国民は納得しませんよ」
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