辞任を表明した安倍晋三首相に対し、森友学園問題など政権の私物化批判をどう考えているかと記者が質問したことをめぐり、ネット上で様々な意見が出ている。
安倍首相は、国会などでの説明ぶりに反省すべき点はあるとしながらも、「私物化したことはない」と全否定した。
「森友学園問題や加計学園問題、桜を見る会の問題など...」
この質問は、2020年8月28日夕に安倍首相が行った1時間の会見のうち、最後から2番目に出た。質問したのは、西日本新聞の女性記者だ。
「歴代最長の政権の中で、多くの成果を残された一方で、森友学園問題や加計学園問題、桜を見る会の問題など国民から厳しい批判に晒されたこともあったと思います。コロナ対策でも、政権に対する批判が厳しいと感じられることも多かったと思うんですが」
こう続けたうえで、記者は、次のような問いを投げかけた。
「こうしたことに共通するのは、政権の私物化という批判ではないかと思います。こうした指摘は、国民側の誤解なんでしょうか? それについて、総理がどう考えられるのか、これまでご自身が振り返って、もし反省すべき点があったとしたら、それを教えて下さい」
安倍首相は、会見終盤の疲れもあってか、渋い顔で質問を聞いていたが、批判についてはこう反論した。
「政権の私物化はですね、あってはならないことでありますし、私は、政権を私物化したというつもりはまったくありませんし、私物化もしておりません。まさに、国家・国民のために全力を尽くしてきたつもりでございます」
そのうえで、自らの反省点についても述べた。
「その中で、様々なご批判もいただきました。ご説明もさせていただきました。その説明ぶりについてはですね、反省するべき点もあるかもしれないし、そういう誤解を受けたのであれば、そのことについても反省しないといけないと思いますが、私物化したことはないということは、申し上げたいと思います」
私物化は誤解だとするだけに、最後はややムッとした表情になっていた。
このやり取りは、ツイッター上などで話題になり、特に安倍首相に批判的な人が相次いで紹介した一方、これに反発する声も出ていた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)