安倍晋三首相は2020年8月28日夕に首相官邸で記者会見を開き、辞職することを正式に表明した。
会見では透明なパネルに原稿などの文字を表示する機器「プロンプター」を使用していないことを記者から問われる場面があり、ツイッター上でも「プロンプター」がトレンド入りするなど話題を呼んだ。
6月会見では設置されていたが...
安倍首相が記者会見で初めてプロンプターを使用したのは13年12月14日と複数媒体が報じている。以降、首相はプロンプターを用いて会見に臨むことが通例となっていた。
今年6月18日に官邸で開いた記者会見でも会場内にプロンプターが設置され、安倍首相は随時プロンプターを見ながら会見に臨んでいた。しかし、8月6日に広島市で行われた会見、8月9日に長崎市で行われた会見映像を見ると、いずれもプロンプターを設置している様子は見られなかった。
そして、官邸で約2ヶ月半ぶりとなった今回の記者会見では、会場内にプロンプターは設置されていなかった。このことについて、通信社の記者が「今日は、会見でいつも使われているプロンプターを使用されていないですけども、これはどういったお気持ちで、こういった形で会見に臨まれたのでしょうか」と安倍首相へ質問を投げかけた。
この質問に対し、首相は笑みを浮かべながら、
「プロンプターはですね、世界で色々な人たちが使っているものでありまして、私も使ってまいりましたが、今日はこのギリギリまで原稿が決まっていなかったということもあり、私も(原稿を)推敲しておりましたので、こうした形になりました」
と答えた。
「首相の辞意表明」という重要な会見で見られた「プロンプター」をめぐるやり取りはインターネット上で注目を集め、17時台には「プロンプター」が日本のツイッタートレンドに入った。