安倍晋三首相が「辞任する意向を固めた」とNHKなどが報じたが、菅義偉官房長官はその直前の会見で、「安倍氏は職務を継続する考え」であることと述べていた。矛盾する2つの情報にインターネット上では「菅の会見とかなんだったの?」と混乱する声があがった。
「総理自ら『これからまた仕事を頑張りたい』とおっしゃっており...」
NHKなどは2020年8月28日14時すぎ、「持病悪化などのため首相を辞任する意向を固めた」と報じた。28日17時の首相会見で、辞任の理由などを自ら説明するとみられる。
辞任報道には衝撃が広がったが、その直前に菅官房長官が明かした内容と齟齬があったため拍車をかけた。報道の数時間前、菅氏は28日11時台の会見で、安倍氏の体調を聞かれると「総理の体調については、総理自ら『これからまた仕事を頑張りたい』とおっしゃっており、私が毎日お目にかかっておりますけど、お変わりはない様子だと思っています」と、安倍氏が職務継続の意向であると話していた。
記者からの「総理の健康を不安視する見方もある。長官からも再三、総理に休養を促してきたということだが、現時点では総理の体調は安定しているのか?」との質問にも菅氏は「今、私が申し上げたとおりです」と一言。さらには「今日午後総理の記者会見が予定されていますが、一部で総理が辞意を表明するのではないかという憶測が絶えない。それについては?」と聞かれても、「先ほど、私が申し上げたとおりです」と繰り返すのみだった。
27日付ブルームバーグのインタビュー記事でも、菅氏は安倍氏の体調について「1日2回程度お会いするが、変わらない」と述べ、21年9月までの首相任期を全うするかについても「もちろんそうだ」と強調している。