今回のコラムは、これまでとは違う趣の話題にしよう。というのは、筆者は先週軽い熱中症にかかり救急搬送されたので、そのときの体験を紹介し、知見を共有したいと思う。読者の方も、筆者はしくじったが、同じ轍を踏まないようにしてもらいたい。
急に目の前がぐるぐると
先週(2020年8月)17日(月)、午前中にオンライン取材を終え、都下へ墓参りをした。行きは車を筆者が1時間程度運転し、墓所で屋外にいたのは、12時過ぎの小一時間ほどだ。500mlの水は飲んだが、日傘は差していなかった。
その後、帰途についたが、やはり1時間半程度運転した。行き帰りの車はエアコンをガンガンつけていた。
家に着く50m手前で、急に目の前がぐるぐる回り出した。なんとか、頑張って家に着き、すぐに2時間程度休んだ。しかし、めまいは相変わらず続き、目を開けていられる状態でなく、吐き気もあり実際に嘔吐もした。ただならぬ事態になったので、妻が救急車を呼んだ。そのとき、筆者はちょっと意識が怪しく、一人で救急車を呼ぶのは無理だった。
救急車はすぐ来たが、あいにく脳・耳鼻科のある総合病院が急患の受け入れが手一杯だったので、別の総合病院に行った。そこで、当番医師から言われたのが、加齢により体温調節機能が落ちており、三半規管への血流が低下してめまいがしているのだろうとのことだった。点滴を打ってもらうと、ちょっと楽になったので、めまいは相変わらずだったが、その日は入院せずに、自宅に戻った。当番医師から、翌日もめまいがするなら、脳・耳鼻科のある総合病院へ行ってくれと言われた。
翌18日(火)朝、まだめまいがしたので、昨日救急搬送を断られた脳・耳鼻科のある総合病院にタクシーで行った。いろいろな検査をするが、脳・耳鼻の異常はないので、やはり熱中症だろうということで、点滴を受け、即入院となった。担当医師がいうには、一晩寝ればよくなるだろうということだった。
実際、19日(水)朝、一晩寝たら、めまいはかなりなくなり、目を開けられる状態になったので、退院し、自宅に戻った。1日休んでいたら、ほとんど体調は元に戻ったので、20日(木)には、オンラインでネット番組に出演した。それ以降は前と同じ生活をしている。
一刻を争う中でも、抜かりない対策
今回、熱中症であったが、医療体制はコロナ対応で大変なのがわかった。救急隊員も筆者がコロナ感染者かもしれないという対応だった。一刻を争う中で、コロナ対応にも抜かりがないにするのは大変な努力だ。
病院も、コロナ対応のために、他の手術などが遅れ気味になっていた。入院した部屋は通常二人部屋だと思うが、筆者を含め3人だった。他の二人は検査・手術待ちだったようだが、コロナのために諸スケジュールが遅れているようだった。実は一人部屋を希望したが、コロナのために空けておく必要があるので、希望はかなわなかった。
医療現場でのコロナ対応はかなりの負荷になっているようだ。実は、コロナは感染症法上5段階中2番目に高い「2類相当」とされ入院勧告対象になっており、これが医療現場で負担になっている。厚労省も、その措置を見直すようである。現場の負担は極力少なくするようにしたいものだ。
最後に、救急隊員の皆様、医師看護師の皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「FACTを基に日本を正しく読み解く方法」(扶桑社新書)、「国家の怠慢」(新潮新書、共著)など。