「実績を見れば、日本のGKは『世界で評価』されるようになってきたと言えます」
「そこで思ったのは、世界における日本の位置づけを常に見ていくべきだということです。川口氏は日本人GKとして初めて海外移籍し、楢崎氏は02年日韓W杯で日本の初勝利に貢献しました。川島選手はベルギーリーグで、日本人初となる欧州クラブでの正GKの座を掴みました。さらにフランスリーグのメスでレギュラーを掴み、日本人初、欧州5大リーグでの正GKとなりました。川島選手は今もフランスのストラスブールでプレーしています。そして、権田修一選手(31)やシュミット・ダニエル選手(28)ら複数の日本人GKが欧州に渡っています。
世界の中で着実に日本のGKはレベルアップしていますし、川島選手を皮切りに欧州で正GKとなる選手も出てきました。その実績を見れば、日本のGKは『世界で評価』されるようになってきたと言えます。そして最初に言った、何をもって『弱点』というべきかという観点から見れば、『世界で評価』されるようになってきた...つまり、もはやGKは『日本の弱点』ではなくなってきているのではないでしょうか。
海外勢が増えれば、日本にいるGKや指導者も世界を意識するようになります。今はインターネットを介して欧州の試合映像も簡単に見られます。そうして世界と比べる『物差し』を持てば、自然と目標も高くなり、成長の度合いも大きくなるでしょう。
ただ、『GK大国』とまで言うと、それはドイツのようになるということです。ドイツはGK人気が高く、いつの時代も名選手を輩出してきました。今もマヌエル・ノイアー、テア・シュテーゲン、ベルント・レノなど世界トップクラスのGKが多数います。日本がレベルアップしているのは確かですが、ドイツレベルにまで達するのはまだまだ時間がかかるでしょう」(山野氏)