2025年に開催を予定する大阪・関西万博(以下、大阪万博)のロゴマークが2020年8月25日に決定した。
赤い輪に5つの目玉のようなものがついている独特なデザインには「気持ち悪さを感じる」という意見がある一方で、好意的な声も多く聞かれている。「いのちの輝き」を表現したロゴに、ツイッターユーザーが抱いた感情とは。
茂木健一郎は「いいんじゃないか」と絶賛
ロゴはアートディレクターのシマダタモツさん率いる「TEAM INARI(チームイナリ)」が制作。「いのちの輝き」を表現したもので、70年の大阪万博の公式ロゴの「桜」をモチーフに「赤い細胞」を円状につなげた独特のデザインだ。
シマダさんは8月25日、ロゴが決まった際の会見で「小さいころ、万博で見た『太陽の塔』(制作・岡本太郎)がすごい衝撃的で、(それが)ずっと自分の中のどこかにあった。岡本太郎さんのようなパンチのある、オリジナリティのあるものを作りたいとずっと思っていた」と込めた思いを語っている。
ただ、細胞に目玉のようなものがついているという奇抜さゆえか、ロゴの発表後はツイッター上で「気持ち悪さを感じる」や「不気味さがある」という声が多く聞かれた。一方で、デザインを好意的に捉える向きもあり、脳科学者の茂木健一郎さんも「この絶妙な非対称性と、複雑系の挙動を思わせる形態、そして生命の豊穣と強靭性を象徴するような印象、いいんじゃないかと思います」と評している。
また、ロゴ自体に名前はついていないにもかかわらず「いのちの輝き君」という愛称がつけられたり、JR大阪環状線の路線図や、ミスタードーナツのキャラクター「ポン・デ・ライオン」になぞらえた画像などを投稿する動きも。アニメ作品などで、人間が人間以外のものに変えられて苦しんでいる姿を表現したネット用語「シテ...コロシテ......」を想起する人もいたようだ。
分析結果はネガティブ? ポジティブ? 優勢だったのは...
ロゴに対する様々な意見がある中で、ツイッター全体ではどんな感情が浮かび上がったのか。J-CASTニュースはSNS分析ツール「ソーシャルインサイト」を通じて、8月25日にツイッター上で投稿された「いのちの輝き」もしくは「大阪万博」というワードを含むツイート(リツイートを除く)を分析し、人々の「感情」を探った。
すると、「ネガティブ」な感情が全体の4.96%だったのに対し、「ポジティブ」な感情は26.5%を占めた。「ネガティブ」の5倍以上の差をつける形で、「ポジティブ」が圧倒したのだ。
そして、「いのちの輝き」あるいは「大阪万博」というワードと同時に発言された言葉の出現回数や重要度をスコア化したランキングでは、名詞部門で「ロゴ」「デザイン」に次ぐ3番手に「大成功」がランクインした。「大成功」と発言したユーザーの投稿には「すでに話題沸騰しているという点で大成功のデザイン」「Twitterでは秒で愛されたから大成功」など、話題性の高さを評価する書き込みがあった。
形容詞部門では「かわいい」(1位)、「可愛い」(2位)、「欲しい」(4位)とこちらもポジティブな言葉が上位を占め、ネガティブな言葉としては9位に「悪い」、13位に「醜い」、14位に「怖い」が入った。
浮かび上がったコアな「ユーザー層」は...
今回の話題に関心を寄せたユーザー層も浮かび上がってきた。「いのちの輝き」もしくは「大阪万博」と発言したユーザーのプロフィール文章に含まれる単語の中で、最も多かったのは「描く」の117回だった。他にも「成人」「腐る」「艦これ」「pixiv」「漫画」「腐女子」「東方」「創作」といった単語が上位にランクインした。
実際に、ツイッター上ではロゴを模した二次創作イラストが数多く投稿・拡散されている。「いのちの輝き君」にはこうした層に「刺さる」要素があったのかもしれない。
また、発言ユーザーの興味分野を見ると「社会・政治」が44.53%、「テクノロジー情報」が51.01%だったのに対し、「マンガ・ゲーム・アニメ」は80.38%と圧倒的な数値を記録した。年齢層の割合は10代が14.3%、20代が61.2%、30代が18.6%だった。