「囲碁の聖地」因島石切神社が廃社へ 「ヒカルの碁」にも登場、本因坊秀策ゆかりの地

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   広島県・因島にある「囲碁の聖地」因島石切神社(尾道市)が2020年内で廃社になり、神社の役目を終える。因島は江戸時代に本因坊秀策が生まれた地とされ、囲碁ファンの尊敬も集めてきた。

  • 因島石切神社境内にある本因坊秀策の石碑(そらみみさん撮影、Wikimedia Commonsより)
    因島石切神社境内にある本因坊秀策の石碑(そらみみさん撮影、Wikimedia Commonsより)
  • 因島石切神社境内にある本因坊秀策の石碑(そらみみさん撮影、Wikimedia Commonsより)

背景には後継者不在と過疎化が

   本因坊秀策(1829~1862)は因島に生まれ、江戸時代末期の囲碁の強豪として名をはせた。因島のこの地に因島石切神社(別称・石切風切宮)が建ったのは1981年で、隣接する土地には本因坊秀策記念館が建ち、神社の境内には本因坊秀策を顕彰する石碑も建っている。

   囲碁をテーマにしたマンガ「ヒカルの碁」にも神社は登場し、物語終盤に主人公の進藤ヒカルが藤原佐為を探してこの神社を訪れる。囲碁ファンにとって「聖地」でもあった。

   2020年8月23日、神社に隣接の本因坊秀策記念館のツイッターアカウントが、神社の廃社が決まり、社殿の解体が始まることを伝えた。J-CASTニュースは25日、この情報をもとに、廃社をとりしきっている初代宮司の孫の左尾(さび)隆浩さん(兵庫県宝塚市・鹿塩熊野神社宮司)に廃社について取材した。

   左尾さんに取材すると、廃社の理由は後継者不在ということだった。初代宮司の没後、後妻にあたる人物が2代目の宮司を務めてきたが、19年7月に死去。因島の過疎化もあり、神社の運営に携わる地元の役員会と協議の上で廃社を決めた。既に神社から祭神を下ろす「御霊(みたま)抜き」も終え、神社としては役目を終えた状態だと左尾さんは話した。

   社殿の解体などは9月頃から始まり、数か月かかるとのことだが、本因坊秀策の石碑は残り、記念館も営業を続ける。また神社の土地は尾道市に寄贈する予定である。

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