18年5月には元世界王者・河野氏に6回TKO勝利
井上絡みでいえば、元WBA世界スーパーフライ級王者・河野公平氏の存在が浮かんでくる。井上は2016年12月にWBO世界スーパーフライ級の4度目の防衛戦で河野氏の挑戦を受け6回TKOで退けている。一方のジェイソンは18年5月に地元オーストラリアで河野氏と対戦。この試合では河野氏が左目の上をカットし大量出血したため6回終了TKOでジェイソンが勝利した。
ジェイソンは世界戦の敗戦後は4連勝し、主要4団体のバンタム級世界ランキングでは上位をキープしている。井上が王座を保持するWBAは3位、IBFでは4位にランクイン。WBOは1位にランクされ、WBCでは5位につける。このようにランキング的には申し分のない挑戦者であることが分かる。ただタイトルホルダーのカシメロと比較すると若干の見劣りは否めないだろう。
ジェイソンのボクシングスタイルはカシメロのような荒々しさはなく、全体的にまとまっている。その分、井上にとって怖さはないだろう。スピード、パワー、攻撃、防御のいずれをとっても井上に死角は見当たらない。2019年11月以来リングから遠ざかっており、実戦感覚をいかに取り戻すのが課題となるが、今のところこれが唯一の課題だろう。アラム氏が希望するように11月に試合が実現すれば、井上にとって約1年ぶりのリングとなる。