日本テレビ系「24時間テレビ43 愛は地球を救う」が2020年8月22日から23日にかけて放送されている。その一企画として、宮城県の空を飛ぶブルーインパルスの映像が特別公開された。
番組では、医療従事者たちのために松島基地から飛行する機体の映像を放送。終盤、映像がスタジオに切り替わり、俳優の山崎育三郎さん(34)が楽曲「TOKIO」を、バックスクリーンに映ったブルーインパルスとともに熱唱する一幕があった。
異色のコラボ企画だが、SNS上では「歌とか興味無い」「ブルーインパルスだけ見せてくれる方がいい」といった声もあがった。
前半はブルーインパルスが主役だったのに
番組では、お笑いコンビ「サンドイッチマン」の伊達みきおさん(45)と富澤たけしさん(46)が、防衛省(東京・市ヶ谷)を訪ねた。ブルーインパルスの元隊長で、実際に操縦をしていたという現空幕広報室の担当者と、活動内容などを対談。また20年5月29日に東京上空を飛行した際の編隊長を務めた、現隊長も交えて飛行方法などを話していた。
現隊長は「医療従事者のために、しっかり私たちのフライトを見ていただきたいという思いを込めて飛ばさせていただきます」と意気込んだ。
飛行する舞台は、宮城県。松島基地から、アクロバット飛行する映像を番組内では特別公開した。
ブルーインパルスが離陸する瞬間から、映像は始まった。機体には「特別にカメラをつけた」とのことで、コックピット内も映し出されていた。
飛び立ったのは4つの機体。空中で旋回するアクロバットな動きに、ワイプに映っているスタジオ内からは「すごい」「おおー」という歓声があがっていた。
また映像では、医療従事者たちが手を振り「ブルーインパルスが新型コロナウイルスと戦う方々への感謝と敬意を表しています」と、実況のアナウンサー。
その後もブルーインパルスは、右下に映し出されたスタジオのワイプ映像とともに、宮城の空を飛んでいた。
映像終盤では、放物線を描きながらハートマークを空に作ったブルーインパルス。感極まるスタジオの声と拍手とともに、実況のアナウンサーも
「こんなときだからこそ、みんなで心を一つに。ブルーインパルスが大空からエールを送っていきます」
と声を強めた。
花火&乃木坂46の演出にも疑問の声
その時だ。映像がスタジオに切り替わり、BGMが流れ始めた。山崎さんが、沢田研二さんの楽曲「TOKIO」を熱唱。山崎さんのバックには、大きなスクリーンにブルーインパルスの飛行や医療従事者たちの映像が映し出された。
時折、ワイプに山崎さんが映り、ブルーインパルスが画面全体に映し出されるものの、メインは「歌」の演出だ。ステージ終了後、スタジオからは「山崎育三郎さん、ありがとうございました」と総合司会の羽鳥慎一(49)さん。
伊達さんは「すごかったですね。宮城県の人間は、よく(ブルーインパルスを)見るんですけど、改めてすごいと思いました」とした。一方で、相方の富澤さんは「宮城を飛んでたんで『TOKIO』がなかなか入ってこなかったです」と話し、スタジオの笑いを誘った。
ブルーインパルスを見ていたはずが、いつの間にか歌番組へ。ツイッターでは、一時期「ブルーインパルス」が「トレンド」入りするなど注目度が高い企画でもあったが、その内容は
「ブルーインパルスだけ見せてくれる方がいい...」
「ブルーインパルスと歌のコラボとかいらんやろ。ブルーインパルス見せろや!」
「航空自衛隊、ブルーインパルスに失礼極まりない。台無しな演出、歌」
「ブルーインパルスが見たかったんだが?歌とか興味無いから、ブルーインパルス映してくれよ。これだから24時間テレビは」
といったものも少なくない。もちろん、
「いっくんのTOKIOよかったなぁ」 「ブルーインパルス見られてよかった!!」
といった好意的な声もあったものの、両者がコラボしたことに対する評価は芳しくなかったようだ。
22日夜に同番組内で放送された「打ち上げ花火」企画でも同様の声があがっていた。
全国各地の花火映像とともに、アイドルグループ・乃木坂46がスタジオで歌を披露。花火の映像が乃木坂46のバックに映し出される演出や、乃木坂46が画面右下のワイプに小さく映し出されるといった演出には、ネット上で「これは花火みたい人も乃木坂みたい人も得しない」といった指摘の声があがっていた。