全日空(ANA)が成田-ホノルル線に導入した超大型旅客機、エアバスA380型機が2020年8月22日、約5か月ぶりに乗客を乗せて空を飛んだ。
新型コロナウイルスの影響で観光需要が落ち込み、A380は運休が続く。そんな中で乗客の声を受けて遊覧飛行が企画され、約150倍の倍率から選ばれた乗客が、つかの間のハワイ気分を味わった。
3月25日を最後に運休が続く
A380は総2階建てで、乗客520人を乗せることができるのが特徴。ANAのA380には、ハワイでは神聖な生き物だと考えられているウミガメのハワイ語の愛称「ホヌ」にちなんで、「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU」(フライングホヌ)という愛称がついている。19年5月に運航を始めたが、20年3月25日にホノルルから成田に戻った便を最後に運休が続いている。ANAはA380を3機発注。1号機はハワイの「空」を連想させる、ANAのイメージカラーでもある濃いブルー、2号機はハワイの「海」をイメージしたエメラルドグリーン、3号機はハワイの「夕陽」をイメージしたサンセットオレンジで彩られているのが特徴だ。このうち2機がすでに就航しており、3号機も20年4月に納入予定だったが、新型コロナの影響で20年秋に延期されている。
機内ではハワイ音楽、機長も「アロハ!」
1号機と2号機は、6月下旬に乗客を乗せずに整備飛行を行っている。このことをニュースで知った乗客から、乗客を乗せた遊覧飛行の要望がメールで寄せられ、企画が実現した。
チェックインカウンターや搭乗ゲートではアロハシャツを着た地上係員らが応対し、機内ではハワイ音楽やハワイの映像を流した。機長も「アロハ!」とあいさつ。飲み物はモヒートやパイナップルジュースを出すなど、様々な場面でハワイ気分を盛り上げた。
遊覧飛行には1号機を使用し、幼児を含む乗客334人が搭乗した。連絡バスを使って「オープンスポット」と呼ばれる屋外の駐機場から搭乗したが、バスの待合室が「密」になる可能性があることから、定員よりも人数をしぼった。隣に駐機された2号機に見送られながら、14時過ぎに成田空港を出発。長野県上空を経由して愛知県まで進み、そこから針路を東に変えて三宅島上空を経て16時過ぎに成田空港に戻った。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)