テレビ報道を飛び出して... 市民スポンサー型メディア「Choose Life Project」が描く未来図

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   「公共のメディア」をめざし、新たなメディアをつくりインターネット上で大切なことを伝える――。そんな思いから、報道番組やドキュメンタリー番組を制作する有志が始めた映像制作グループ「Choose Life Project」(CLP)が存在感を増している。持続的に活動できる体制を整えようと、2020年7月にクラウドファンディングを始めたところ、1日で目標額800万円を集めた。8月23日時点で約2.5倍の約2050万円の寄付が集まっている。CLPとはどんなメディアなのか。今後、どこへ向かうのか。J-CASTニュースは、その活動を追った。

   東京都知事選前の2020年6月27日夜、CLPは主要4候補者の生討論会をYouTubeで配信した。使用した機材はパソコン1台と配信ソフト「Streamyard」(ストリームヤード)のみ。CLP代表の佐治洋さん(38)とスタッフ1人の2人を中心に進行管理や画面のスイッチングなど幅広い作業を担った。各候補者のライブ映像は、各候補者のパソコンのウェブカメラ機能を使ってもらいつなげた。「機材などの初期費用や司会者へのわずかな謝礼以外、ほとんどコストはかけていない」と佐治さん。討論会の視聴回数は、CLPがこれまで行ったライブ配信では最多の約21万回に上った(同時視聴数は約2万回)。

  • 東京都知事選前、テレビ各局が見送る中でChoose Life Projectは候補者の討論会をライブ配信した(YouTubeから)
    東京都知事選前、テレビ各局が見送る中でChoose Life Projectは候補者の討論会をライブ配信した(YouTubeから)
  • Choose Life Projectが実施しているクラウドファンディングにも参加した弁護士の亀石倫子さん(左)とジャーナリストの津田大介さん
    Choose Life Projectが実施しているクラウドファンディングにも参加した弁護士の亀石倫子さん(左)とジャーナリストの津田大介さん
  • 東京都知事選前、テレビ各局が見送る中でChoose Life Projectは候補者の討論会をライブ配信した(YouTubeから)
  • Choose Life Projectが実施しているクラウドファンディングにも参加した弁護士の亀石倫子さん(左)とジャーナリストの津田大介さん

都知事選の候補者ライブ討論会は21万回再生 テレビ各局見送る中

   CLPが企画・制作したライブ配信や動画は、民主主義や表現の自由といった硬派なテーマが目立つ。ただ、政治家や学者など「当事者」や「専門家」だけでなく、文化人や俳優、タレントなど幅広いジャンルの出演者が登場。同じシリーズでも、1人ひとりが多様な観点、価値観からそれぞれの思いを語ってもらうスタイルが特徴だ。まだ一般にはそこまで知られていないCLPが、どうやって著名人から協力を得られるのか。

「活動を始めた当初から、『自由で新しいメディアを模索している。ご協力ください』などと企画書を送って出演交渉していたのですが、著名な方でも多くの人が賛同してくれて、出演してもらえました。原則的に全員が無償で取材に応じてもらっています。今では(世間の)認知度も徐々に上がり、企画の提案やネタの持ち込みも増えてきました」(佐治さん)

   現在、CLPの活動に専従しているのは佐治さん1人だけで、企画ごとに現役のテレビ局の記者やディレクター、映画監督らが、その都度加わる「離合集散型」。これまでに関わったメンバーは数十人に上るという。メンバーが本業で発信する媒体は新聞、テレビ、ネットなど様々だが、組織の壁を越えて緩やかにつながる形でこれまで続けてきた。メンバーに共通するのは、「自由な言論空間を構築する」「メディアを繋ぐメディアになる」といった活動理念への共感だという。

Choose Life Project代表の佐治洋さん(YouTubeから)
Choose Life Project代表の佐治洋さん(YouTubeから)

   撮影は各メンバーの自前のカメラやレンタル機材で行う。どう編集すればちゃんと最後まで見てもらえるのか、「正解は見いだせていない」(佐治さん)という。

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