サッカーJ1・鹿島アントラーズの元日本代表DF内田篤人選手(32)の現役引退をクラブが発表してから丸1日。世界レベルの右サイドバックとして日本サッカーを牽引し、人気もあった同選手には、インターネット上でも労いの言葉や思い入れをつづるユーザーが殺到した。
ツイッターでは「内田篤人」や関連ワードがトレンド入り。ファンはどのような言葉を書き込んだのか、SNS分析ツール「ソーシャル・インサイト」で反応の傾向を見てみた。
「やっぱり限界だったんだね...」
静岡の名門・清水東高サッカー部から鹿島へ2006年に入団すると、高卒1年目からスタメンに定着。10年にドイツ・ブンデスリーガのシャルケに移籍しても主力として活躍し、クラブ初かつ日本人初の欧州チャンピオンズリーグ(CL)ベスト4入りを成し遂げた。日本代表には世代別から選ばれ続け、22歳で10年南アフリカ・ワールドカップ(W杯)メンバーに選出。14年ブラジルW杯は主力として全3戦にスタメンフル出場した。
「ソーシャル・インサイト」を使い、20年8月20~21日にかけて「内田篤人」「篤人」や愛称の「ウッチー」「うっちー」を含んだツイッターの投稿を見てみた。同時に発言されているキーワードに多かったのは、「寂しい」「悲しい」「素晴らしい」など引退を惜しむ言葉に加え、「若い」「早い」そして「怪我」といったものが目に入る。
「まだ若いんだけど、ここ数年ずっとけが続きだったし、やっぱり限界だったんだね...。 本当にお疲れさまでした」
「2014年W杯の代償としてその後のキャリアを怪我との闘いに費やすことになってしまったのが残念。今のサッカーにこそ必要なSB。シャルケの右サイドでゲームを作ってる姿は圧巻だった」
「2014年、黙々と右サイドで一人だけ戦ってたのが懐かしい 膝の怪我さえなければもっとバリバリ戦えただろうに... 惜しいなぁ...」
「同じ年代の選手の引退は寂しいなぁ たらればだけど、膝の怪我がなければまだまだシャルケでやってただろうに」
「早い、とかまだ若い、という言葉は簡単には言えないなあ。お疲れさまでした。たくさんの素敵な試合を見せてくれてありがとうございます」
ブラジルW杯直前に負傷した右膝が、その後長く、重く内田選手にのしかかった。15年3月には右膝蓋腱炎(しつがいけんえん)が判明し、639日間にも渡って離脱。16年12月に復帰したが、コンディション維持は困難を極めた。ドイツ2部ウニオン・ベルリンへの移籍を経て、18年に古巣・鹿島に復帰したが、主力として定着するには至らなかった。
ドイツや代表の第一線で長期にわたって活躍した選手の「早すぎる」引退。「篤人が32と聞いて、まだ若いな、と思ったのは、彼がいかに若い頃からトップで活躍してきたかの証左なんだろうなぁ」という声もあった。