玉木氏が「分割」に言及した意味
なお、政党助成法の規定では、仮にA党から一部のメンバーが抜け、B党として「分派」する場合は、A党が受け取る政党交付金は引き続きA党が全額を受け取り、B党は受け取ることができない。これに対して、A党が解散してB党とC党に「分割」されるパターンでは、単純に議員数に応じてB党とC党に配分される。玉木氏は、国庫返納の可能性に言及した会見で、後者の「分割」にも言及している。この日の両院議員総会で承認された執行部の「提案事項」では、
「新党をつくることを承認するとともに、新党結党に向けて、最後まで国民民主党全員での新党への参加の努力を続け、全員参加が叶わない場合には、さらなる『大きな塊』に向け、円満かつ友好的に諸手続が進むよう、その対応を代表・幹事長に一任する」
ことをうたっている。この中の「円満かつ友好的に諸手続が進むよう」の部分について
「(合流新党に)行かない人、行く人の特定の後の話ではあるが、政党の分割ということも念頭にあるのか」
という記者の確認に、玉木氏は
「含んだ概念です」
と応じている。さらに、
「法的には『分派』もあるが、あくまで『分割』を目指すということか」
という質問には、
「政党要件を満たさなければ、そもそも分割にはならないので、要件を満たすような仲間が集って、それでやっていくということであれば、当然、そういった協議を行っていくことになるし、それが『円満かつ友好的な諸手続』のひとつだと理解している」
とも。「分派」ではなく「分割」を念頭に置いているとの見方を示している。この発言からは、少なくとも政党交付金については、議員の人数に比例する形で配分するとも読み取れそうだ。
微妙に変化する玉木氏の発言の「本気度」は、必ずしも明らかではない。疑念の目を向けるひとりが、与党時代に民主党幹事長や外相を務めた、野党統一会派の岡田克也衆院議員だ。8月20日に国会内で記者団に対して、「50億円」という金額について「僕らは確認しようがない」としながらも、
「どこまで本気で言っておられるかですね。この前は違うことを言っておられますからね」。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)