ジャーナリストの伊藤詩織氏は2020年8月20日、ツイッターで誹謗中傷を受けたとして、元東大特任准教授で株式会社Daisy代表取締役の大澤昇平氏に110万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。各メディアが報じた。
提訴を受け、大澤氏は「先方の主張は理不尽すぎるので全力で勝負します」と争う構えを示している。
杉田水脈氏も法廷闘争へ
各報道によれば、伊藤氏が20年6月、誹謗中傷する内容のイラストをツイートされたなどとして、漫画家のはすみとしこ氏ら3人を提訴した一件をめぐり、大澤氏が「伊藤詩織の何がダメダメかって、刑事裁判でレイプが認められなかったにもかかわらず、その後の民事裁判の結果をレイプを関連付けている点」などとツイート。「伊藤詩織って偽名じゃねーか」と事実無根の内容も書き込んでいた。
大澤氏は提訴を受け、8月20日にツイッターで「突然俺を訴えると言い出した。正直全く意味が分からない」と伊藤氏側の主張を不服とし、「先方の主張は理不尽すぎるので全力で勝負します」との見解を示した。
伊藤氏は大澤氏とともに、自民党の杉田水脈衆院議員に対しても訴えを起こした。伊藤氏が元TBS記者・山口敬之氏からの性暴力被害を訴えた訴訟に関連し、「枕営業の失敗ですよね」などと書き込んだツイッターユーザーの投稿に「いいね」していたとして、杉田氏に220万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
大澤氏はこの点にも触れ、「『いいね』の何が良くないのか知らんが、もし悪い判例ができてしまえば左翼の言論弾圧は益々加速し、日本から言論の自由が奪われる。俺は断固抗戦する」と自身の政治思想と絡めて反発している。
大澤氏は20年1月に、「弊社 Daisy では中国人は採用しません」などとツイートしたとして、東京大学から懲戒解雇処分されている。以降、排外主義的な発言を繰り返している。