「ICUの患者だからといって、重症者か必ずしも分からない」
前日の4月26日には、厚労省が、ECMOや人工呼吸器に加え、ICUの患者数も含めて重症者をカウントするように各都道府県に事務連絡をしている。それにもかかわらず、ICUの患者数を含めないようにした理由について、都の担当者はこう説明した。
「それまでは、保健所に聞いたり、患者の発生届を見たりしていましたが、情報が取りづらくありました。事務連絡を受けて、病院にも聞くようにしたところ、ICUの患者だからといって、重症者かどうか必ずしもはっきりしないことが分かりました。カウントするのは適切ではないと判断し、ICUの患者数を外すことにしました。現場や医師の意見も伺っており、明らかに分かる指標にしたということです」
病院に聞くようにした結果、4月27日の重症者数は、これまでの定義では60人だったのが、90人になったという。
ICUの患者数も含めると、重症者のカウントが10人前後増えるとした。それでも、2倍ぐらい多い大阪府の重症者数に及ばないが、大阪では、高齢者を中心にした院内感染のクラスターが出ていることなどが理由ではないかとしている。
定義変更を公表しなかったことについては、「事務連絡を受けて、より適切なやり方にしただけだと考えました。ただ、今思えば、公表すればよかったというのはあります」と話した。
都のモニタリング指標としては、ICUの患者数を含めない定義で重症者数をカウントしていくとしたが、厚労省の調査に対しては、その数も含めて回答していくとしている。