「熱中症の症状はなく、体調に問題はございません」
女性ディレクターは、「はい...返しちゃいますよね。そうですよね」となおも続けようとして、深呼吸したり、目をつぶったりした。
これには、もう1人のキャスター高橋克実さんも、「ちょっと休憩した方がいいんじゃない?」と口をはさみ、なおも続けようとするディレクターを遮って、倉田大誠アナが「はい、ありがとうございました」「引き取ります」として中継が終わった。出演者からは、「車に入って、車に」とも呼びかけられていた。
倉田アナは、「恐らく、あの~取材をされて」と言いかけたが、安藤さんは、遮るように「よく関西の方は、今ありましたでしょ、キュウリ持ってらっしゃる方いますよね」と話題を続けた。
この放送中から、ツイッターなどでは、ディレクターの体調を心配する声が続出し、「無理に中継させちゃったらダメだ」「笑っている場合じゃない」「死んだらどうする」などと次々に書き込まれた。現場の暑さ対策の甘さを指摘する声もあったが、中継を続けさせようとしたことを疑問視する声は多い。
放送のあり方も議論になり、脳科学者の茂木健一郎さんは20日、ツイッターでこう苦言を呈した。
「これ、安藤優子さんご自身の問題であるというよりも、日本の地上波テレビ全体の『ノリ』の問題だという印象がある。だって、現場に行くと、そういう感じが実際にあるし、バラエティやお笑い番組もそういう調子。そのあたりの文化を変えられたらいいのにと思う」
女性ディレクターの体調や中継を途中まで継続させたことについて、フジテレビの企業広報室は20日、J-CASTニュースの取材にこうコメントした。
「制作の詳細についてはお答えしておりませんが、今回の経験を今後の番組制作に活かしてまいりたいと考えております。なお、中継を担当したディレクターに熱中症の症状はなく、体調に問題はございません」
ちなみに、20日放送の番組では、今回の件について、安藤さんらからのコメントはなかった。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)