玉木代表が「悔やまれるところ」と指摘した点 国民民主は「解党決定」したが...

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   国民民主党は2020年8月19日に開いた両院議員総会で、解党と立憲民主党に合流する新党の結成を決めた。立憲との合流をめぐっては、玉木雄一郎代表が11日の記者会見で、党を一度解党し、立憲と合流する議員による党と、合流しない議員による党に分党する意向を示していた。

   玉木氏は、政策の不一致を理由に、合流新党には参加しない考えを表明していた。解党が決まった後の記者会見でも、「ぜひこういうこと(消費税をはじめとする政策)で合意をして新党スタートということであれば非常に分かりやすかったし、もっと多くの人が結集できるきっかけになった」などと政策のすりあわせの不十分さを指摘した。

  • 解党が決まった両院議員総会後に記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表
    解党が決まった両院議員総会後に記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表
  • 両院議員総会では執行部の「提案事項」が賛成多数で承認された
    両院議員総会では執行部の「提案事項」が賛成多数で承認された
  • 両院議員総会で解党が決まった後にあいさつする玉木雄一郎代表(左)。右側は平野博文幹事長
    両院議員総会で解党が決まった後にあいさつする玉木雄一郎代表(左)。右側は平野博文幹事長
  • 両院議員総会後に取材に応じる山尾志桜里衆院議員。合流新党には参加しないことを表明している
    両院議員総会後に取材に応じる山尾志桜里衆院議員。合流新党には参加しないことを表明している
  • 解党が決まった両院議員総会後に記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表
  • 両院議員総会では執行部の「提案事項」が賛成多数で承認された
  • 両院議員総会で解党が決まった後にあいさつする玉木雄一郎代表(左)。右側は平野博文幹事長
  • 両院議員総会後に取材に応じる山尾志桜里衆院議員。合流新党には参加しないことを表明している

執行部として合流を提案した玉木氏が合流新党に参加しない矛盾

   両院議員総会は16時30分過ぎに開始。冒頭あいさつが済んだ16時40分頃から19時頃まで、「両院議員懇談会」として報道陣をシャットアウトして議論を行い、再び「両院議員総会」として報道陣の前で採決が行われた。採決の対象になった執行部の提案は、合流新党の諸規定がまとまったことを受けて

「新党をつくることを承認するとともに、新党結党に向けて、最後まで国民民主党全員での新党への参加の努力を続け、全員参加が叶わない場合には、さらなる『大きな塊』に向け、円満かつ友好的に諸手続が進むよう、その対応を代表・幹事長に一任する」

というもの。採決への出席議員59人のうち57人が挙手で「提案事項」に賛成し、承認された。反対したのは渡辺周副代表で、残り1人は、慣例として投票しない両院議員総会長(議長)だとみられる。渡辺氏は、執行部として事実上の合流を提案した玉木氏が合流新党に参加しないことを批判した。

   来週中にどの議員が合流新党に参加するかを確定し、地方組織の扱いなどを詰めた上で解党に向けた作業を本格化させる。

「政策提案型の改革中道のポジションを引き継ぎたい」

   所属する衆参62人の議員のうち、中堅・若手議員を中心に30人以上が合流新党に参加する見通し。立憲の福山哲郎幹事長は8月19日の記者会見で、野党統一会派に所属する無所属議員を含めると、合流新党は「150名前後」の規模になるとみている。 一方の玉木氏は8月11日の会見で、自らは合流新党に参加しない意向を明らかにしている。合流しない議員を集めて新たに「国民民主党」を立ち上げる考えだが、同調するのは前原誠司元外相や古川元久・元国家戦略担当相、7月に国民に入党したばかりの山尾志桜里衆院議員ら、少数にとどまる見通し。玉木氏は立ち上げる新党が政党要件のひとつ「所属国会議員5人以上」を満たせるかどうかは明言していない。

   玉木氏は、両院議員総会後の記者会見で、

「我々は、基本的には国民民主党の政策提案型の改革中道のポジションを引き継ぎたいということでまさに新党を作るわけで、原則、国民民主党と同じものを掲げて進んでいきたい」

と話し、山尾氏も

「私自身は合流新党には参加しないという立場で、この国に必要とされている、政策提案型の中道政党として、小さいけれどもきっちりと明確な旗を掲げる政党になっていくということが大事」

などと話し、歩調を合わせた。

政治資金50億円めぐり「内ゲバ」なら「全額国庫に返したほうがいい」

   玉木氏は、合流協議では政策論議が欠けていた点について記者から問われ、消費減税をはじめとする経済政策をめぐる議論ができなかったことに言及。政策のすりあわせができないまま解党を迎えたことを悔やんだ。

「やはり新しい党ができる以上、何をするために新党が結党されたのかということが、国民との関係でもっと分かりやすければ良かったと思って、私は特に消費税の減税と(言ってきた)。これは本当に必要だと思う。これだけGDPが落ち込んで、日本経済は相当危機的な状況になりつつあると思うので、追加の現金給付と消費減税はマクロ経済政策として不可欠な状況になっているので、ぜひこういうことで合意をして新党スタートということであれば非常に分かりやすかったし、もっと多くの人が結集できるきっかけになった。ここが、なかなか党首会談もできず、一致点が見いだせなかったことは悔やまれるところ」

   国民民主党は約50億円の政治資金を保有しており、その行方も焦点だ。玉木氏は、合流新党に参加する人数などを確定させることが先決だとしながら、

「少数派でも大半の党資金を引き継ぐということはあり得るのか」

という記者の質問には、「内ゲバ」が発生するのであれば「全額国庫に返したほうがいい」と語気を荒げた。

「そこは常識的な範囲で決まっていくことだと思っているので...。何か、お金をめぐって内ゲバするようなことがあれば、そんなのは国民から見放されますよ!そんなことするんだったら全額国庫に返したほうがいい」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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