まだカメがいる可能性「考えられる」
カミツキガメが見つからなかったにもかかわらず、なぜ放流されたという通報を受けたのだろうか。区の担当者によれば、「放流した人物が『カミツキガメ』(を放した)と周囲に話していたこと」「通報者が放流されたカメを目撃しており、ミシシッピアカミミガメとの違いを明確に述べたこと」を理由に「カミツキガメの可能性が高いと判断した」という。ただ、最終的に「本当にカミツキガメが放流されたかは未確認」のままだ。
一方、今回見つかった「クサガメ、ハナガメの交雑種」もカミツキガメ同様、特定外来生物に指定されている。また、ミシシッピアカミミガメは特定外来生物でこそないものの、積極的な防除の対象となる「緊急対策外来種」に指定されている。
環境省の「アカミミガメ防除の手引き」によれば、アメリカ大陸原産のアカミミガメは1950年代後半から幼体が国内に多数輸入。「ミドリガメ」の通称でペットとして安価・大量に流通したものの、成長して飼いきれなくなった個体が野生化し、各地で生態系に影響を与えてきた。
元淵江公園の池には、普段からフナやコイ、モツゴといった在来種が生息。一方、アメリカナマズやアメリカザリガニなど、人の手によって持ち込まれた外来種も確認されているという。区の担当者は、池の中に外来種のカメが残っている可能性について「池の水を全て抜いて調べたわけではないので、正確なことは言えない」としつつ、「可能性は考えられる」と答えた。