宝塚・星蘭ひとみさんの「抜擢」に注目が集まる理由 「カネ恋」三浦春馬さんの元カノ役に

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   宝塚歌劇団に在籍する娘役の星蘭(せいら)ひとみさんがドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS系)で連続ドラマに初出演することが2020年8月18日に発表された。現役タカラジェンヌのドラマ出演は異例で、宝塚ファンとテレビドラマのファン双方が騒然となり、どんなドラマになるかと興味を持っている。

  • 星蘭ひとみさん(公式プロフィールより)
    星蘭ひとみさん(公式プロフィールより)
  • 星蘭ひとみさん(公式プロフィールより)

美貌で注目、早期抜擢も...

   「おカネの切れ目が恋のはじまり」は松岡茉優さんと、7月18日に亡くなった三浦春馬さんのダブル主演のドラマで、三浦さん演じる猿渡慶太の元恋人・聖徳まりあを星蘭さんが演じる。女性陣では松岡さんに次いで主要な役柄になりそうだ。

   星蘭さんは2015年に101期生として初舞台を踏み星組に配属。2017年に「ベルリン・わが愛」で新人公演初ヒロイン、18年に「ANOTHER WORLD」で2度目の新人公演ヒロインを射止める。

   新人公演では入団7年目までの団員で本公演の演目を行うが、これでトップスター・トップ娘役の役を演じればスター候補と目される。入団3年目での初ヒロインは順調な抜擢ペースであった。

   入団当時から星蘭さんが注目されていた理由の一つが「美貌」。大きい瞳と彫りの深い顔立ちが観客の目を引き、「タカラヅカのオードリー・ヘップバーン」と一部のファンから呼ばれることも。ただし、舞台は総合芸術であるがゆえの難しさ、2度の新人公演ヒロインを経た後の2019年はなかなか大役に恵まれず、殻を破れずにいた。

映像で活躍のOG達に続くか

   星組に所属していた星蘭さんだが、19年12月23日付で星組から専科に異動となった。これは極めて異例の人事異動である。専科は一芸に秀でたベテランの団員が所属し、各組の公演を脇で支えるポジションで、星蘭さんのような若手娘役が所属するのはほとんど例がない。さらに異動理由が「今後は映像を中心に出演する予定」と公表されたのも珍しく、波紋を呼んだ。以後星蘭さんの活動は舞台を離れ、劇団のCSチャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」にも出演していたが、専科異動後の外部初仕事で準ヒロイン格の役を射止めた。

   宝塚在団中に映画・ドラマに出演するケースは複数前例がある。戦後まもなくは月丘夢路さん・越路吹雪さん・扇千景さん・八千草薫さんらが映画への外部出演を果たし、退団後のキャリアにも活かされた。扇さんと八千草さんは専科をさらに細分化した「映画専科」にも所属している。

   地上波テレビへは黒木瞳さん・遥くららさん・純名里沙さんらが現役時代にドラマに出演、純名さんは1994年のNHK朝ドラ「ぴあの」のヒロイン役も務めた。

   ただ、これまでドラマ出演を果たした団員はいずれも組に所属し並行して公演にも出演、あるいはドラマ出演が終われば舞台に戻っていた。あくまで舞台がメインで外部のドラマはサブである。専科に所属する星蘭さんには各組のように定期的に公演があるわけではなく、かつての「映画専科」のように映像メディア中心で出演を続けることが考えられる。専科異動時の劇団のアナウンスは絵空事ではなさそうだ。

   トップ娘役の椅子は各組1人ずつ、5つしかない。舞台にこだわらずにそれぞれの団員の得意分野を生かす道を劇団が模索し、星蘭さんに活躍の場を用意したということだろうか。「カネ恋」で星蘭さんがドラマの視聴者にも強い印象を残せば、タカラジェンヌのポテンシャルを舞台の外でも示すことになり、在団中のキャリアも多様化できる可能性を秘めている。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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