コミックマーケット以外の即売会を「コミケ」と報じるのは... 準備会などがメディアに苦言

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   コミックマーケットは、東京ビッグサイト上で開催される世界最大級の同人誌即売会である。ファンからは、「コミケ」、「コミケット」と呼ばれている。このイベントを運営する「コミックマーケット準備会」は2020年8月16日、ツイッター上でテレビでの報道に苦言を呈した。

「同人誌即売会を総称して『コミケ』と報じるのは、一般の方の誤解を招きますし、各即売会にも失礼だと思いますので、考えていただきたいものです」

   同人誌即売会とは、主に自費出版された作品(同人誌)の売買を行うイベントで、様々な団体が各地で実施している。

  • HIKKYが開催するComicVketの会場 バーチャル秋葉原
    HIKKYが開催するComicVketの会場 バーチャル秋葉原
  • コミックマーケット公式サイトより
    コミックマーケット公式サイトより
  • HIKKYが開催するComicVketの会場 バーチャル秋葉原
  • コミックマーケット公式サイトより

ComicVketをコミケの「バーチャル版」と紹介

   TBSの「サンデー・ジャポン」では8月16日、「夏の風物詩『コミケ』の代わりに...バーチャル版を開催!」として、バーチャル同人誌即売会「ComicVket」の特集を放映した。テロップなどには、

「"コミケ"のバーチャル版!?ComicVketとは」
「バーチャル版"コミケ" 自宅にいながらアキバで買い物」

と表記し、まるでコミックマーケットの代替イベントであるかのように「ComicVket」を報じた。

   「ComicVket」はJ-CASTニュース既報の通り、バーチャル空間でのマーケットを運営するHIKKY(東京都渋谷区)が主催する同人誌即売会である(「VR空間に『待機列』『最後尾札』も バーチャル同人誌即売会、新型コロナで動き加速」、4月10日配信)。HIKKYではこれまで、3Dアバターや3Dモデルなどを取り扱うバーチャル即売会を実施しており、その技術を生かして、ことし4月から同人誌即売会「ComicVket」を開始。開催二回目となる「ComicVket1」はお盆である8月13日から16日の4日間開催され、秋葉原の街を再現した「バーチャル秋葉原」を会場とし、大きな話題を呼んだ。

   このようにコミックマーケットと「ComicVket」は運営母体が異なる全く別のイベントであるため、「ComicVket」をコミックマーケットの代替イベントとして報じることに視聴者からは疑問の声が上がった。

HIKKYの取締役CVOも弁解

   これを受けて、HIKKYの取締役CVOであるPhio(フィオ)さんはツイッター上で苦言を呈した。

「テレビで取り上げられたー!のは嬉しいんだけど、ComicVketは『コミケのバーチャル版』ではありません...!あくまで、バーチャル空間で開催される同人誌即売会で、別のイベントです。ComicVketの運営母体(HIKKY)とコミケとは関係ありませんし、名称を使って良いという許諾も得ていないので...」

   「コミックマーケット」、「コミケット」、「コミケ」はいずれも、有限会社コミケットの登録商標である。有限会社コミケットは、これらの名称に関して、各国でも関連商標に関する権利を有しており、第三者が実施するイベントその他の企画で使用する許諾は原則行っていない。

コミックマーケット公式サイトより
コミックマーケット公式サイトより

   Phioさんは、視聴者の分かりやすさを優先して「同人誌即売会」よりも「コミケ」という表現を用いることには理解を示しながらも、

「ComicVketは、立ち上げ当初から『コミケ』という文言は対外的に使ってない(はず)。それは、コミケへのリスペクトがあるから。コミケが積み重ねてきた歴史や信頼にフリーライドするような真似はしたくない」

   とコミックマーケットへの敬意を述べた。

   その後、コミックマーケット準備会も冒頭のツイートを行った。ツイート後半では、

「さておき、リアルではないと、秋葉原の真ん中で即売会とかできて面白いですね」

と「ComicVket」についてもコメントした。

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