2020年8月13日に突然ツイッターユーザーが騒然となったのが、「新幹線半額」というワードである。これはJR東日本限定ながら、事前予約で21年3月まで新幹線が半額で乗れる「お先にトクだ値スペシャル」だった。
新幹線といってもJR東日本限定なので、東京から西に向かう東海道新幹線などには適用されない。それでも新型コロナの影響で乗客の減少に悩む各社は、お得なプランを展開している。
東海道新幹線は?
運賃・料金半額という出血大サービスに打って出たJR東日本の「お先にトクだ値スペシャル」は、東北・北海道・秋田・山形・上越・北陸の各新幹線の指定席を同社のネット予約サービス「えきねっと」で席数限定ではあるが50%割引で販売する。2020年7月7日に発表した。予約可能期間は乗車日の1ヶ月前の午前10時00分から、乗車日20日前の午前1時40分までという条件つき。利用可能区間は限定されていて列車種別ごとに異なる。
8月20日から21年3月31日までの乗車分が適用期間だが、同じ条件でJR東日本の中央・総武・内房・外房・羽越・奥羽・東武日光方面の在来線特急も50%割引で発売する。ただしJR西日本エリアに乗り入れる北陸新幹線「はくたか」「かがやき」で利用できるのは20年9月30日までとなる。
では西に向かう東海道新幹線はどうか。JR東海の関連会社のJR東海ツアーズでは通常の往復運賃のほぼ半額で新幹線を日帰り利用できる「ひさびさ旅割引」を旅行商品として発売している。利用期間は20年7月1日から9月30日まで。首都圏・静岡・愛知・関西の4エリアの指定された各駅から相互に日帰りで往復できるプランを発売中で、例えば東京・品川~新大阪の日帰り往復の場合、早朝発・夜間着となるが普通車指定席が1万5200円になる。「のぞみ」の普通車指定席通常運賃でこの区間を往復すると2万9440円になるので、相当お得だ。
「レールスター」個室をこだまでも開放
他の新幹線だが、山陽・九州新幹線ではコロナ以前から「バリ得ひかり・こだま・つばめ号」という旅行商品を日本旅行とJTBで販売してきた(JTBでの商品名は「新幹線バリューパック」)。例えば新大阪~博多間が普通車指定席で片道1万5800円(のぞみ利用)のとろを通常期7600円で移動できるが、早朝・深夜の「ひかり」「こだま」しか対象でないデメリットがある。
またJR西日本では行楽客・帰省客に配慮して8月6日から11月30日まで、上下3本ずつの「こだま」(こだま843・847・849・854・856・857号)の8号車に4室ある4人用個室「コンパートメント」が利用可能になった。コンパートメントの予約は3人以上の旅行に限られる。
もともとこの個室は700系7000番台「ひかりレールスター」で使われていたもので、今でも「ひかり」運用時には利用できるが「こだま」運用時には閉鎖されていた。それをゆったりと旅行できるようにと、同系での「こだま」運用の列車でも利用できるようになった。
早期予約でお得になったり、遅い列車でもゆったりと旅行できるプランを提供したりと、新幹線もフレキシブルな旅の選択肢が生まれている。
(16日13時追記)本文を一部修正しました。