「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」「冷凍餃子は手抜きだよ」。ここ最近、料理をめぐる価値観の違いに辟易したとの訴えが、SNS上で共感や怒りとともに注目を集めた。
出来合いの総菜や冷凍食品は「許せない」と考える人は一定数いるとみられ、識者は背景に "手作り信仰"があるという。料理の大変さを共有するにはどうすれば良いのか。
「手料理のほうが愛情深い?健康に良い?」
2児の母親を名乗る女性が2020年8月4日、ある日の夕食での不満をツイッターに投稿したところ、大きな反響を呼んだ。
この日は夕食を作るのがつらかったため、冷凍餃子を食卓に並べた。3歳の長男が「ママ餃子美味しい!」と喜んだのも束の間、夫がすぐさま「手抜きだよ。これは れ い と う っていうの」と言い放ったという。
夫はほとんど料理をせず、「米を炊くのとインスタントラーメン作るのしか見たことない」。女性は「作れもしないくせによく良いますよね‥‥」とあきれ、「この人ポテサラじいさん予備軍みたいなんで埋めるか打ち上げて良いですか」と嫌悪感いっぱいに書き込んでいる。
"ポテサラじいさん"とは、先月に注目を集めたツイートを指すとみられる。スーパーの惣菜コーナーで「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と高齢男性が女性に絡んでいた、との目撃談だ。
これらの男性のように、出来合いの総菜や冷凍食品など、"手作り"でない料理を「許せない」人は一定数いるようだ。
ネット掲示板では、「冷凍食品を弁当に入れるのはダメと姑から苦情がきました...」「お惣菜を夕飯に出したら文句タラタラの旦那。お惣菜がそんなに悪いですか!?」「手料理のほうが愛情深い?健康に良い?先入観の押し付けが辛い」と悩みを打ち明ける投稿が複数見つかる。