人気ゲーム「Ghost of Tsushima」を支えた日本の人々 武術考証「天心流兵法」に聞く撮影秘話

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   SNS上では、ソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売された、PlayStation 4向けゲーム「Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)」に注目が集まっている。対馬(現在の長崎県)を舞台に、蒙古襲来を題材としたアクションゲームで、2020年7月17日に発売されると3日間で全世界累計実売本数240万本を突破した。アメリカのゲーム会社「Sucker Punch Productions(サッカーパンチ)」が開発したもので、海外から見た「日本像」が面白いと国内でも人気を博している。

   サッカーパンチは、日本人も違和感なく楽しめるよう入念に取材し、各分野のスペシャリストを招いてあらゆるモーションを撮ったという。ゲームファンの間では同作発売前から、モーション協力に携わった団体の一つ、「一般社団法人天心流兵法」が注目されていた。

  • 「Ghost of Tsushima」公式サイトより
    「Ghost of Tsushima」公式サイトより
  • 滝沢洞風代範(まーこ先生)
    滝沢洞風代範(まーこ先生)
  • 滝沢洞風代範(まーこ先生)
    滝沢洞風代範(まーこ先生)
  • 滝沢洞風代範(まーこ先生)
    滝沢洞風代範(まーこ先生)
  • 滝沢洞風代範(まーこ先生)
    滝沢洞風代範(まーこ先生)
  • 「Ghost of Tsushima」公式サイトより
  • 滝沢洞風代範(まーこ先生)
  • 滝沢洞風代範(まーこ先生)
  • 滝沢洞風代範(まーこ先生)
  • 滝沢洞風代範(まーこ先生)

「動画は嘘では無かった!」サッカーパンチのスタッフ歓喜

   一般社団法人天心流兵法(以下、団体)の公式サイトによると、天心流兵法(てんしんりゅうひょうほう)は寛永年間、時沢弥兵衛師によって創出された古流武術。武芸の剣技としてではなく、武士の繋がりで用いられる上士(城士)の剣であり、異なる流儀とされる。現在は次代の伝承者を育成しながら、公式Twitter、Instagram、Facebook、TikTokなどでの発信も積極的に行っている。

   インターネット上では、2017年に滝沢洞風代範(いわゆる師範代、通称まーこ先生)がツイッター上に投稿したメイド姿での剣技動画で話題となり、人気を博している。そして2018年「Ghost of Tsushima」の公式ツイッターアカウントが、武術考証に天心流が協力したことを発表すると期待の声が上がっていた。

   天心流兵法はどういった経緯で「Ghost of Tsushima」に関わったのだろうか。J-CASTニュースは20年8月上旬、メールで取材を行った。団体によると、サッカーパンチのスタッフが井手柳雪・第十一世師家(流儀の継承者)のインスタグラムの動画を見たことがきっかけでオファーを決めたという。

「製作に当たりまして、様々な武術・武道などもリサーチをしたそうです。しかしいずれも本作品の主題の一つといえる裏の兵法、そして常在戦場である武士の平生での心がけと技法、そうしたモチーフとして琴線に触れるものがなかったそうです。そんな時に天心流の技法に触れて、すぐにオファーを決めたと聞いております」

   そして2018年、井手師家と鍬海政雲・第十世師家が渡米しモーションキャプチャーの撮影に協力した。

「最初に技法をお見せした後、スタッフの方が『動画は嘘では無かった!』という感想を頂きました。そして撮影後は、『武術本来の反応させない動きをどのようにゲームに取り込むのか これから取り組まなければならない。とてもむずかしいことだけどトライしたい』と仰っていました」

   また、収録時の小ネタについても聞かせてくれた。

「あと、身体を解しつつ、アドリブで踊っていたら記録するから続けてと頼まれて、しばらく珍妙なアドリブダンスを続けました。まだクリアしてませんから、どこかであの珍妙な踊りは使われているのか知りませんが。今回のモーションデータは他のゲームでも使用する可能性があるそうなので、他で日の目を見る可能性もあります」
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