認証制度導入の県市も 「感染しない保証」は表現強すぎ?
一方、実際に店を訪れる現地調査を通じてステッカーなどの発行を判断しているのは、山梨県と群馬県、浜松市の3県市のみだった。
山梨県の場合、飲食店や宿泊施設のコロナ感染防止対策の取り組みを認証する「やまなしグリーン・ゾーン認証」という制度を始め、7月17日に13施設に認証マークを交付した。8月14日現在で計220施設が認証を受けている。
認証は、書類審査と県の委託業者による店やホテルなどでの実地調査を経て決める。県グリーン・ゾーン推進課やグリーン・ゾーン事務局によると、書類審査では飲食店で30以上、宿泊施設は50以上のチェック項目をクリアする必要がある。さらに現地調査は飲食店だと30分から1時間、宿泊施設だとおおむね1時間程度、対策項目ごとにチェックを受け、「合格」を決めるという。同課の担当者はこう話す。
「富士山などの観光地を抱える山梨県は、東京など県外からの飲食店や宿泊施設の利用者が多いのです。それだけに、消費者の皆さまの信頼を担保することが大切なので、あえて手間とコストをかけています」
群馬県も同様の仕組み「ストップコロナ!対策認定制度」を導入している。店舗は申請書を提出し、県内の各商工会議所や商工会の職員が現地調査する。調査結果を踏まえ、県が「お墨付き」を与える流れだ。認定後に対策違反が発覚したり利用客や従業員からコロナ感染者が出たりしたら、認定を一時停止することもあるという。
県は認定した店舗向けにステッカーとポスターを6000枚ずつ準備し、各店舗に配布しようとしていた。だが、「Safe & Secure Guarantee(安心と安全を保証)」という文言について、山本一太知事のツイッターに「認定店舗での新型コロナウイルス感染者が発生しないことを保証するものではない(中略)問題があると思います」「万が一感染が発生した場合、県が責任を負うという解釈でいいんですかね?」などとの批判的な指摘が相次いだ。
このため山本知事はツイッターで「ご指摘、ありがとうございます。同様のご意見を幾つか頂きました。さっそく、表現を修正します」と投稿。県は急遽配布を見合わせ、文言を修正することにした。