ガン患者へのチャリティ企画を実施していた総合格闘技団体・RIZIN FIGHTING FEDERATION(ライジン・ファイティング・フェデレーション、以下RIZIN)は、企画のきっかけとなったガン患者を名乗る格闘技ファンの男性が、実際にはガンとは別の病で療養中だったと2020年8月13日に説明した。
男性本人、妻と直接話をし...
RIZINは19年12月、ガン患者を名乗る格闘技ファンのツイッターユーザーの男性の投稿をきっかけに、ガンと闘う人へ向けたチャリティTシャツをアパレル会社と共同で販売。Tシャツには男性を励ますようなメッセージも綴られていた。
しかし、RIZINは20年8月13日に公式ツイッターで公表した資料の中で、男性の妻から受け取ったとするメールを報告。妻によれば、男性は別の病気で現在も「ほぼ寝たきり状態」だという。
ただ、ガンで亡くなった叔母の闘病を、あたかも自分が闘病したように伝えていたとし、「現実とそうでないことを把握する力がなく、家族としてもそのことが今回のことに繋がったのでは」とした。男性のツイッターアカウントは8月13日夕現在、確認できなくなっている。
RIZINはこのメールを受けて男性本人、妻と直接話をし、2人から謝罪の言葉を受け取ったという。また、男性はガン患者だと称して選手からグッズやグローブなどの物品を受け取っていたが、これらを全ての選手に返却することで約束した。
「チャリティの主旨が誤っていたとは思っておりません」
RIZINは「その(当初の)発言の真偽を調べず、鵜呑みにしてしまいこのようなアクションを起こしたことで、ファンの皆様を信じ込ませてしまった」とし「心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
なお、チャリティ企画でのTシャツの売り上げは全て「埼玉県健康づくり安心基金」に寄付していると報告。企画自体は男性がきっかけだとしつつも、「『癌で苦しんでいる方々を格闘技で勇気づけ、しかるべき基金に寄付をする』というこのチャリティの主旨や行動自体が誤っていたとは思っておりません」とし、今後も格闘技を通じた社会貢献を続けていくとした。