海外の動向が業績に影響
業績予想についてヤマハはこれまでコロナの影響が見通せないとして未定としており、初めての開示。前提として「コロナの不確実性が高い状況が続いているが、第3四半期(2020年10~12月)から緩やかに改善が進んでいく」とした。売上高にあたる売上収益は前期比14.3%減の3550億円、本業のもうけを示す事業利益は46.1%減の250億円とした。配当予想は「継続的かつ安定的な配当を行う方針に基づく」として前期と同額の年間66円とした。店舗は世界的に再開が進むものの、対面販売が中心の主力の楽器販売は前期を下回る水準が続くと見込む。また、「三密」の象徴となってしまったライブの開催は激減しており、音響機器の販売へのダメージは続くと判断した。
先に指摘したようにヤマハの海外売上高比率は約7割で、海外の動向が業績に影響する。従来、全体の1割強の中国はコロナの影響が比較的小さいだけに期待できる。中国事業が下支えしつつ全体としてU字回復する可能性もありそうだ。野村証券は8月5日に配信したリポートで「コロナ後において音楽需要が大きく棄損されるとは考えにくいため、来期以降の業績回復を過度に悲観視する必要はないだろう」としていた。