周庭氏逮捕で考える「香港の今」と日本メディア

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   香港の民主活動家・周庭(アグネス・チョウ)氏(23)が香港警察に逮捕されたことが、日本のメディアやSNSで大きな話題になっている。一方で、「周氏以外の、逮捕されている多くの民主派への支援も忘れないで」と訴える声も上がっている。

「日本の大手メディアが『#FreeAgnes』に注目 ネット民のホットトピックに
  • 周庭氏の公式フェイスブックアカウントから(画像は2020年7月12日の投稿)
    周庭氏の公式フェイスブックアカウントから(画像は2020年7月12日の投稿)
  • 周庭氏が語っていた「日本への思い」(画像は周庭氏23歳誕生日の投稿、一部加工)
    周庭氏が語っていた「日本への思い」(画像は周庭氏23歳誕生日の投稿、一部加工)
  • 周庭氏の公式フェイスブックアカウントから(画像は2020年7月12日の投稿)
  • 周庭氏が語っていた「日本への思い」(画像は周庭氏23歳誕生日の投稿、一部加工)

香港ではメディア本社への家宅捜索に大きな注目

   これは香港のネットニュースメディア「Stand News(立場新聞)」が2020年8月11日朝に配信した記事の見出しだ。周氏が、日本語が堪能なため日本メディアのインタビューによく応じていたことや、日本人に「民主の女神」と称されていたこと、10日夜の逮捕後にハッシュタグ「#FreeAgnes」が日本のツイッターユーザーのホットトピックになったことも、紹介されている。

   日本のテレビ局の香港支局で助手として働いていたことがある香港人の女性(30代)は、「当局に目を付けられたくないので」と、J-CASTニュースの取材に匿名で応じ、こう解説した。

「香港では、中国に批判的な論調で知られる新聞『リンゴ日報』の創業者・黎智英氏が逮捕されたことと、リンゴ日報が警察の家宅捜索を受けたことが一番大きく報じられています。『報道の自由』への明らかな侵害ですから当然です。周さんはあくまで10日に逮捕された6人の1人という位置づけですね。なので、香港メディアは、日本メディアが周氏をことさら大きく取り上げることを興味深く感じているようです」
周庭氏の公式フェイスブックアカウントから(画像は2020年7月12日の投稿、一部加工)
周庭氏の公式フェイスブックアカウントから(画像は2020年7月12日の投稿、一部加工)

   この女性は、働いていた日本のテレビ局が香港から撤退したことから金融系の仕事に転職。同じ頃、他の新聞社やテレビ局も相次いで香港から撤退した。それもあってか、香港の最近の事情や19年からの民主化運動に詳しい日本のジャーナリストが少なくなったと感じている。

「香港返還から20年以上経ち、上海や広州、深圳など他の大都市の方がニュース価値も高くなったので、香港からの撤退は仕方ないでしょう。それにしても、香港で今起きている、民主派や親中派、そして様々な考えの人たちの『分断』、この街を舞台に繰り広げられている中国と欧米諸国の『情報戦』などを、周さんのことばかりではなく、もっと広く深い視点で世界に発信してもらいたいです」
姉妹サイト