香港の民主活動家・周庭(アグネス・チョウ)氏の逮捕を受け、日本のツイッターではハッシュタグ「周庭氏の逮捕に抗議する」「FreeAgnes」をつけて、逮捕に反発するツイートが相次いでいる。
一方、周庭氏が2020年6月30日の香港国家安全維持法(国安法)成立前にツイッターで語っていた「日本への思い」にも注目が集まっている。
乙武氏「私たちにできることは抗議の声を上げること」
周庭氏は2014年、学生ながら香港反政府デモ「雨傘運動」のスポークスパーソンとして活動。19年6月には逃亡犯条例改正案に反対するデモにも参加し、「民主の女神」と呼ばれた。日本メディアの取材に対し、流暢な日本語で答える姿でも知られていた。
しかし、20年6月30日に香港で国安法が成立。8月10日に周庭氏は国安法違反容疑で香港警察に逮捕された。周庭氏の逮捕を受け、日本でも反発の声が広まり、ツイッター上ではハッシュタグ「周庭氏の逮捕に抗議する」「FreeAgnes」をつけて逮捕に抗議するツイートの投稿が相次いだ。
著名人では、俳優の宍戸開さんが「#周庭氏の逮捕に抗議する」、歌手の畑中葉子さんが「#周庭氏の逮捕に抗議する」「#FreeAgnes」というワードのみをそれぞれ投稿。作家の乙武洋匡氏は10日夜に、ハッシュタグ「FreeAgnes」をつけて以下のようにツイートした。
「いま私たちにできることは抗議の声を上げること。みなさん、ぜひ傍観者となることなく、このニュースと向き合ってください」
「#FreeAgnes」は11日の朝4時〜8時頃にかけて日本のツイッタートレンド1位を独占。その後は朝9時頃から「#周庭氏の逮捕に抗議する」がトレンド入りし、11時頃からは「#FreeAgnes」に代わりトレンド上位に位置している。
「生きてさえいれば、希望があります」
逮捕の報を受け、周庭氏がかつて力を入れていたツイッターの投稿内容にも注目が集まっている。周庭氏はツイッターを通じ、日本語で香港民主化への思いなどを発信していた。
国安法成立直前の6月28日、周庭氏は「香港で自由や民主主義のために戦う人たちは、自由や命を失うことも考えないといけないということが、本当に悲しい。私も、たくさんの夢を持っているのに、こんな不自由で不公平な社会で生き、夢を語る資格すらないのか。これからの私は、どうなるのか...」と不安を口にし、
「いつかまた日本に行きたいなぁ」
と日本への思いについて語っていた。
また28日には、国安法の成立後「国家分裂罪」と「政権転覆罪」に問われると最高刑罰は無期懲役になる可能性があることについて言及。「日本の皆さん、自由を持っている皆さんがどれくらい幸せなのかをわかってほしい。本当にわかってほしい...」と思いを吐露していた。
そして国安法成立当日の6月30日、周庭氏は以下のようにツイートした。
「絶望の中にあっても、いつもお互いのことを想い、私たちはもっと強く生きなければなりません。生きてさえいれば、希望があります」
この投稿を最後に、周庭氏のツイッターは更新されていない。
香港で自由や民主主義のために戦う人たちは、自由や命を失うことも考えないといけないということが、本当に悲しい。私も、たくさんの夢を持っているのに、こんな不自由で不公平な社会で生き、夢を語る資格すらないのか。これからの私は、どうなるのか...
— Agnes Chow 周庭 (@chowtingagnes) June 27, 2020
いつかまた日本に行きたいなぁ。