多忙極める保健所、「対応、後回しになったことも」
大阪市も名古屋市も、7月から8月にかけて、東京と同じように、新型コロナウイルスの感染者が急激に増えている。大都市部での感染者増と保健所の重い負担が影響した可能性はないのだろうか。匿名を条件に取材に応じたある東京都内の保健所の幹部はこう打ち明ける。
「応援スタッフが次々と派遣され、コロナ前から数倍に増員されましたが、特に7月以降は感染者が増え続けており、職員全員が多忙を極めています。陽性者の健康確認、濃厚接触者の追跡、入院・隔離先の調整など、多岐に渡る業務を担っていて、正直、処理番号の発行対応が後回しになったことがあるのは否めません」
保健所の態勢がCOCOAへの陽性登録者数が伸びない理由の1つなのか、実際はわからない。COCOAを運用する厚労省コロナ本部に取材すると、次のようにコメントした。
「COCOAへの陽性の登録はあくまで利用者が自主的に協力していただくもので、強制できるものではありません。あくまで『お願いベース』です。今後も、ダウンロード数や陽性登録件数を増やすべく、丁寧に説明して周知を図りたいと考えています」
7月以降の「第2波」とも言える感染拡大の背景に、無症状の人が感染に気づかないまま、感染をつないでいた可能性が指摘されている。COCOA自体は順調にダウンロードされており、陽性者の登録数が伸びさえすれば、感染拡大防止に効果があることは事実だろう。「ボトルネック」の早期の解消が望まれる。